『夕暮れに、手をつなぐ』“最強のドラマ”として完結! 広瀬すず×永瀬廉の表現力&北川悦吏子の魔法が光る

カルチャー
2023年3月23日 19:30

■こんなにも美しいのは“3年間”があってこそ

 “絶対に恋愛には発展しない二人”だった空豆と音。学生時代をほうふつとさせるようなじゃれ合いを見ながら、「本当に恋が生まれるのか?」と何度不安になったことか。

浅葱空豆(広瀬すず) (C)TBS
 でも、さすがは北川悦吏子作品。ゆっくりと、ゆっくりと変わっていく二人を繊細に描き上げた。空豆と音が恋愛関係になるためには、会わない3年間が必要だったのだろう。とっくに恋が始まっていたのに、いつまで経っても気づかないふりをしていた二人。そんな殻を破ったキスシーンには、「想像の100倍以上美しいキスシーンだった」「廉くんのキスシーンの破壊力やばすぎた」「永瀬廉の歴史に残る伝説のキスシーン」など多くの反響が集まった。

 キスをしたあと、二人の距離感が一気に“恋人”になる感じもよかったし、子どものように音に抱きつく空豆も愛おしかった。もっと早く思いが通じ合っていれば…と一瞬思ったけれど、3年を経ての“今”だからこそ、こんなにも美しいのだろう。

■作品を彩った広瀬と永瀬の表現力をひも解く

 音を演じた永瀬廉は、切ない表情がとにかく魅力的だった。空豆のことが、好きで好きで仕方がない。でも、この気持ちは自分のなかにとどめておきべきだ。そんな葛藤を抱きながら、静かに耐える姿が色気たっぷりで。それなのに、空豆の前では急に子どもっぽい表情を見せるから、見事に“沼”にハマってしまった。

 そして、空豆を演じた広瀬すず。空豆というキャラクターは、表現する難度がかなり高かったと思う。一歩間違えたら、確実にヤバい奴になってしまうから。正直なところ、噴水で顔をジャブジャブ洗っている姿を見た時は、「このヒロインについていけるかな…」と不安にもなった。

浅葱空豆(広瀬すず) (C)TBS
 その不安を払拭してくれたのが、広瀬のアンニュイな表情だ。空豆はたしかに野生児だけど、伏せた目をしたり、寂しそうに笑ったり。時折、見違えたように女性らしくなる瞬間がある。そのたびに、「音くん、きっとドキッとしているんだろうな」と思った。広瀬が生み出したギャップが、北川が紡ぐ物語に説得力を与えたといっても過言ではない。

 どこか陰を持つ広瀬と永瀬が合わさると、とんでもない光が生まれる。そこに、ラブストーリーの神様・北川悦吏子の魔法がかけられた『夕暮れに、手をつなぐ』は最強のドラマだった。

 いつか、輝いていた青春の日々を「あのころはよかったな」なんて懐古しそうになったら、「これからもっといいことがあるんだよ。楽しいことがあるんだよ」と言っていた雪平響子(夏木マリ)の言葉を思い出すだろう。

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イチオシ!

夕暮れに、手をつなぐ

広瀬すず

永瀬廉

King & Prince

田辺桃子

黒羽麻璃央

伊原六花

川上洋平

内田理央

櫻井海音

松本若菜

茅島成美

酒向芳

遠藤憲一

夏木マリ

ジャニーズ

菜本かな(ライター)

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