『ボス恋』玉森裕太の“最後のセリフ”に悶絶! キスマイ主題歌のタイミングも「最高」
■奈未、もう一度“けん玉”に向き合う
『ヨビガミ』を熱く語る中沢と、それを聞く奈未 (C)TBS
麗子からの厳しい指摘を受け、さらに、特集を埋めるために頭を抱える編集部の姿を目の当たりにした奈未は、自宅に帰って、1人でけん玉に向き合う。荒染の漫画『ヨビガミ』も39巻買ってきて読み進めたようだ。ちなみに、『ヨビガミ』は、漫画家・岸本聖史が本作のために描き下ろし、アプリ「マンガボックス」で読むことができるのだが、「見せかけのごまかしじゃボクには勝てない」「弱いやつは何でもほどほどで生きてりゃいい」と、かなり奈未に刺さるセリフのオンパレードだった。これが奈未の努力を後押ししたのは間違いない。中沢が熱く語りだした気持ちもよくわかる。
けん玉を披露する奈未 (C)TBS
そして、再び荒染のもとを訪れ、けん玉を披露し、見事成功。同シーンでは、上白石が実際に演技の中で、けん玉の技のほとんどに挑戦しており、SNSでも上白石の努力をたたえる声が上がっていた。上白石は、約3年前にラジオ番組で、けん玉を剣の先に入れる“とめけん”という技を成功させたことがある。それゆえセンスも備わっていたのだろうが、このシーンからは、1つ1つのカットに手を抜かない彼女の演技への誠実さが垣間見える。上白石の公式Instagramの特訓の動画も必見だ。
“けんチャン”コールに戸惑う奈未 (C)TBS
奈未の人並み以上の努力は、見事開花し、荒染がイラストを提供してくれることに。しかし、その後、ご褒美として麗子に連れて行かれたパーティーで、麗子の無理やりな“けんチャン”コールとともに、またもや、けん玉を披露させられる。もちろん失敗し、また恥をかかされたと奈未は会場から走り去るが、これは麗子の計画の一部で、この一件が、難航していた「カルティエ」との裏表紙の広告交渉を成功させることに繋がる。
意外と良い上司な麗子 (C)TBS
広告のカギを握る「カルティエ」マーケティング部長のシモンは、実は、荒染の大ファン。しかし、ビジネスとは関係のないパーティー会場で、シモンを振り向かせるのは至難の業なので、麗子は、まず奈未のけん玉で注目を集めることにした。そしてその後、麗子は、奈未が荒染のイラストを獲得するまでの道のりを堂々と英語とフランス語を交えてスピーチ。これによりシモンは胸を打たれ、「MIYAVI」は「カルティエ」の広告を勝ち取った。悪魔のような微笑みで無理難題を押し付けるパワハラ気質な麗子だが、決して奈未を見捨てることなく、最終的に成功に導き、達成感を与えるのだから、案外面倒見の良い上司なのかもしれない。「雑用係のくせに」と編集部から冗談交じりながら言われていた奈未が、第2話では、編集部の輪に入れてもらえるようにもなったのも1つの成長だ。これから創刊に向けて、奈未がよりパワーアップするのが楽しみである。
■ラスト10秒が「最高」
さて、麗子の名プロデュースにより、「人並みになるまで、もう逃げませんから!」と仕事に情熱を燃やすようになった奈未。けん玉に振り回されて大変な第2話だったが、潤之介とのにせの恋人関係を解消したことも今回注目ポイントだった。
恋人ごっこを続ける中で、潤之介に対し、普段より大きな鼓動を感じだした奈未は、心の中で「本当の彼女になっちゃったりして!」と考えるなど、少しずつ彼を意識し始める。しかし、自分を“にせ彼女”にした理由を聞くと「実際に付き合わないから」と答えられ、奈未はショックを受ける。それにくわえ、荒染との交渉を通じて、うその罪深さと、自分の怠惰を痛感した奈未は、恋人のフリの終わりを潤之介に提案したのだ。
「付き合ってたのはうそなのに、別れるのは本当みたい」と寂しさをアピールする潤之介があまりにもズルい。「元気でね」と差し出した右手を一度引っ込め、「あ、こっちか」と潤之介は左手を差し出す。別れを意味する握手を交わした二人。奈未は連絡先を消し、「うそは本当にならない」とつぶやきながら、恋のつぼみを握りつぶした。
荒染と「カルティエ」の件も終わり、通常業務に戻った奈未は、スタジオに撮影で使うレモンを届ける。しかし、坂の上から大量に落としてしまい、レモンが転がりだした。慌てて拾う奈未。最後の1個を手にしようと顔を上げた先にいたのは、日光を頬に反射させ、レモンを持った潤之介だった。
「俺のこと、好き?」と聞かれる奈未 (C)TBS
潤之介は、ぱんぱんにレモンが入った袋を、奈未の代わりに持ち、スタジオまで運んでくれるという。道中、「今日はどうして?」とここにいる理由を奈未が聞くと、潤之介は「会いたかったんだ」と包み隠さず答える。そして、スタジオに到着し、別れようとしたとき、潤之介は、奈未の手を引き、こう尋ねた。「俺のこと、好き?」
ラストの強烈なセリフと玉森が作る“子犬”のような表情は悶絶ものだ。あの奇妙な“けんチャン”コールと同じ回とは思えない。その上、<「愛してる」そんな言葉だけで表せないほどに〜>と、Kis-My-Ft2の主題歌「Luv Bias」が、まるで潤之介へのアンサーになっているかのようなタイミングで流れるのも面白い。Twitterでは、「ボス恋のラスト10秒毎回やばい」、「キスマイの曲が流れるのが最高にいい」と同シーンに釘付けになった視聴者が続出していた。
あらすじでは、第3話で奈未は「仕事中も潤之介のことが頭から離れなくなってしまう」とのことだが、きっとそれは、奈未だけでなく本作のファンも同じことだろう。コメディタッチで時間を忘れるほど良いテンポで進む仕事編、たった10秒で虜にするラブパート。この絶妙なバランスが、本作の魅力の1つかもしれない。第2話の世帯平均視聴率は11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。この数字は、本作の面白さはもちろんながら、多くの人がドラマを見て、“おうち時間”を過ごしている数字も含まれていることを思うと、そちらにも励まされる。