WEST.神山智洋、生田斗真の“人間像”に憧れ 「愛される天才やなって」

インタビュー
2024年3月1日 18:00

■一度にかなった2つの夢

――今回、オファーが来た時に「ついに来た」と思ったとコメントされていらっしゃいましたね。なぜでしょうか?

神山:4年ぶりのドラマ出演というのもありましたし、単独主演は初めてだったので「ついに来たか」と。いつかは絶対に主演をやりたいと思っていたので、お話をいただけたことがとてもうれしかったですし、それがWOWOWさんの作品というのもすごくうれしくて。願っていたことを2つ同時にかなえていただきました。

――4年ぶりのドラマ出演で気づいたことがあれば教えてください。

神山:(舞台など)演劇の場合は、同じことを毎日やるんです。1ヵ月稽古して、1ヵ月同じ演技をやる、みたいな。でも、ドラマは目まぐるしく進んでいって、撮影が終わったシーンのセリフは(基本的に)二度と言わないんです。そういうところが明らかに違うなと思いました。

なので、僕の中ではセリフの入れ方も全く違ったんですよ。演劇に関しては自分のセリフにマーカーを引いて、ディスカッションしたことを全部ノートに書く。いったん全部書いて、その中から取捨選択して整理していきます。そうすると(台本が)真っ黒になるんです。でも、今回の『白暮のクロニクル』に関しては、マーカーを引いていないし、書くこともしていなくて。どちらかと言うと、覚えて、覚えながら考えて、感じたことを現場でディスカッションして、その場でどんどん実行していくみたいな感じというか。そこが違うなと改めて思いました。

――稽古で構築していく演劇と、現場で共演者とコミュニケーションを取りながら進めていく違いということですね。

神山:そうですね。しかも、ドラマは順々に撮っていくわけではないので「この前のシーンってどうやったっけ」とか「どういうふうにここ演じておこうか」みたいなことも考えました。やっぱり撮影が始まったばかりのタイミングと後の方やと、役の解釈とかも全然違ってくるので。できるだけ、最初の方に撮影した時の気持ちを持ち続けておこうと心がけました。

――なるほど。順番通りに撮影されるわけではないからこそ、演じる役が違う人に見えてしまう可能性がある。

神山:と言いつつ、今回はオムニバスっぽく見せていくドラマなので、パートによっては台本の 持っている雰囲気がそれぞれ全然違って。その中で、どう整合性をつけていくかが演劇とはまたちょっと考え方が違うなと。それが刺激になったし面白かったです。

それから、ちょっと寂しかったです。演劇やったら本番後に「ここもっとこうできたな、じゃあ明日トライしてみよう」というようにできるけれど、映像の場合は「もうこのシーンやらへんのか」って。1シーンごとに、一球入魂するような気持ちでやっていかないといけないと思いました。

連続ドラマW‐30『白暮のクロニクル』キーカット (C)WOWOW
――4月には、グループとしてデビュー10周年を迎えるかと思います。年齢とキャリアを重ねる中で、仕事の向き合い方が変わったと実感することはありますか?

神山:30歳前後ぐらいで、意識が大きく変わりました。それまでは、必死に「結果を残さないと」と思って、余裕がない中で仕事をしていましたが、一度自分のことを見つめ直す機会を作って。本当に最近のことですが、そこからは余裕を持って仕事ができるようになりました。

――どのように見つめ直したのでしょう?

神山:年上のメンバーたちから「30歳になったら余裕を持って仕事ができるようになるよ」って聞いていたんです。だから、一度自分のしたいこととか、仕事、性格、幼少期のこととかを深いところまで掘り下げてみて。そうしたら、かなり変わりました。人との関わり方も考え方も「やらないと」から「できる限りでいい」って。常に100%のキャパを使うのではなく、ある程度力を抜いて仕事ができるようになりました。

――演技の面では、今後もドラマと舞台の両方をやっていきたいですか?

神山:もちろんです! できることなら、両方ともずっと続けたい。これまでは必死に役に対してしがみついてきましたが、正直自分自身が楽しむ余裕はあまりなかったですし、けっこうハードな内容のものをたくさんやらせていただいてきたように思います。ですが、一昨年の舞台『幽霊はここにいる』以来、「演技って楽しいな」って本気で思えるようになったので、お声がけいただけるなら、もう僕は「なんでもやらせてもらいます」という感じです。楽しさに気づいたのはつい最近やけど、人間に早いとか遅いとかないと思っているので、できる限り本腰を入れていきたいなと思います。

 連続ドラマW‐30『白暮のクロニクル』は、WOWOWにて3月1日より毎週金曜23時放送・配信(全12話)。

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於ありさ(ライター)

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