小野大輔&小林親弘『黒執事 ‐緑の魔女編‐』でドイツ語を披露! “ドイツ出身声優”に褒められ「めちゃくちゃ調子に乗りました」
■ヴォルフラムの魅力
――ヴォルフラムはお二人から見てどんなキャラクターだと感じましたか?
小林:本作は、とある村が舞台なのですが、そこには緑の魔女と呼ばれているサリヴァンという小さな女の子がいます。彼女の執事をやっているのが、ヴォルフラムですね。ただ、執事なのに料理作りに慣れていないところが見受けられて…。
小野:要領がよくないんだよね。
小林:(笑)。本当に不器用だし、執事にしては言葉遣いが乱暴で品があまりよくないんですよね。
小野:ヴォルフラムは仕事に関することだけではなく、心情を表現することも不器用。彼は使命をもってサリヴァンの執事をやっていたり、ルールに縛られたりしていますが、それ以上の気持ちがありそうだなと最初から感じるんですよね。だから、乱暴な口調で接してきても、悪いやつじゃないんだろうなと思える。不器用で、胸の中にある温かさを隠しきれない人物だと思いました。
小林親弘
――演じる上ではどんな点を意識しましたか?
小林:原作を読んだままに演じつつ、先読みをしないようにしました。彼はあることについて罪悪感を持っているのですが、そこは大事にしつつも、その都度起きることにしっかり反応していくようにしたんです。そうすればきっとヴォルフラムらしさが出ると思いながら演じていました。
――現場ではどのようなディレクションがありましたか?
小林:表現の仕方に関してのディレクションは、ほとんどなかったですね。
小野:親弘くんは、そこに存在することでヴォルフラムになっていました。
小林:ありがとうございます!
小野:それはサリヴァンに関してもそうで、くぎみー(釘宮理恵)がやってくれたら、もうそれだけでサリヴァンの存在感がにじみ出るんですよね。仮に、くぎみーのあの楽器(声)でサリヴァンを誇張して表現したらトゥーマッチ(やりすぎ)だと思います。
ヴォルフラム(小林親弘)、サリヴァン(釘宮理恵) (C)Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler
――なるほど。
小野:サリヴァンは、知識だけが先行して、大人びたことを意図しない形で出してしまうのですが、それがズレていてギャップがかわいらしい。それをナチュラルにやってくれるからこそ魅力的なんです。
小林:本当にそうでした。
小野:くぎみーや親弘くんみたいに関係性が出来上がっている役者仲間が入ってきてくれて、安心感が増しました。二人は一緒に座っているだけで、サリヴァンとヴォルフラムに見えた。見事なキャスティングだと思いました。
小林:ありがとうございます。僕が演じるヴォルフラムと、釘宮さん演じるサリヴァンの関係については、最初から「主人と執事の関係だよね?」と引っ掛かる部分が多いと思います。その関係性や彼の存在自体が伏線にもなっているので、いろいろと考察しながら作品を楽しんでください。