原菜乃華&作間龍斗は「甘いもの好き同盟」 小説家 汐見夏衛からの差し入れがエネルギーの源に
原菜乃華と作間龍斗(ACEes)がダブル主演する映画『ないものねだりの君に光の花束を』が、11月20日(金)に公開される。汐見夏衛の同名小説を安藤尋監督が実写化した本作。全てにおいて《普通》で個性がないことがコンプレックスの高校生・影子と、人気急上昇のアイドルで勉強も性格も完璧な《特別》な存在の真昼。生きる世界が違う二人が紡ぐ、《恋》よりももっと尊い物語を、原と作間が繊細な演技で魅せる。影子と真昼のように同盟を組むなら「甘いもの好き同盟」だという二人。そんな彼女らのエネルギーの源になった汐見氏からの差し入れとは?
【写真】儚い表情もすてきな原菜乃華&作間龍斗の撮り下ろしカット(全10枚)
■影子と真昼の“名前のない関係”を体現 「作間さん自身が、ずっと真昼でした」
――完成した作品をご覧になって、改めて影子と真昼の関係をどう感じましたか?
作間:撮影中から不思議な関係性だと思っていたんですけど、それがどう映るのかは分からなかったので、完成した映像を見て、「こういう関係も成立するんだな」と一つの答えを見たような気がしました。うまく言葉で表現しづらいですが、影子と真昼の境遇には重なる部分と重ならない部分があって、理解できるところも違う。それが絶妙にかみ合った時に、お互いにすごくいいサポーターのような関係性になるんだと作品を通して学ばせてもらいました。
原:私も「この二人はこういう関係です」と安易な言葉に収めたくない関係性だと思いました。境遇はもちろん違うんですけど、人との接し方や距離の詰め方が似ている二人なのかなと。お互いに踏み込んでほしくないラインがあるからこそ、相手に対しても探り探りな部分があって、接し方がすごく似ているんです。同じものを見て同じような思いを持てる影子と真昼は、お互いがお互いにとってかけがえのない存在であり、支えでもある。恋愛とも友情とも違う、もっと強くて尊い関係性だと思いました。
『ないものねだりの君に光の花束を』場面写真 (C)2026『ないものねだりの君に光の花束を』製作委員会
――オフィシャルコメントで、原さんが安藤監督へ「恋愛要素はあった方がいいですか」と質問されたエピソードが印象的でした。台本を読んだ段階で考えたことだったのでしょうか?
原:はい、本読みの段階だったと思います。もともと原作を読んでいたのですが、台本だと内容や、影子と真昼の関係性に若干の変化があったんです。なので、「自分たちの中でどこまで持っておけばいいんだろう、どういう認識でいればいいんだろう」というところが気になって質問しました。
影子も真昼も言葉に出して話さない部分が多いですし、頭の中で整理してから話すタイプだと思うので、セリフに書かれていない部分を自分の中でしっかり持っておきたかったんです。
――恋愛要素がないと分かってから、お二人で演技の方向性をすり合わせたりしたのでしょうか?
作間:実は(演技について)びっくりするぐらい話してないんです。
原:一度も話してないかも。でも、作間さんも「このシーンは少し距離感を変えた方がいいですかね」みたいなお話を監督とされていて、常に作品やキャラクターのことを考えながら現場にいてくださったので、本当に感謝しています。
――お互いの芝居で「ここがすてきだった」「しびれた」と思ったところを教えてください。
原:作間さん自身が、ずっと真昼でした。特に印象的だったのは、家で真昼が弱音をこぼすシーン。あの場面では、作間さんが真昼を演じているところを見ているだけで涙が出そうになるくらい感情が動いて…。私自身が、どちらかというと能動的に物語を動かしていく役柄が多かったので、静かに真昼の横顔を見続けるというのは、自分の中で挑戦でもありました。でも、ただ見ているだけで自然と感情が生まれてきたんです。試写を見た時も、「自分ってこんな表情をするんだ」と思うくらいで。意図的に作ったものではなくて、真昼を見て感じたことがそのまま出た表情だったので、作間さんに助けていただいたと改めて感じましたね。真昼役が作間さんで良かったと本当に思います。
――原作を読まれていたからこそ、真昼役にぴったりだと感じた部分もあったのでしょうか。
原:文字だけで追うと、真昼って割と言葉が強いんです。だから台本を読んでいた時は難しそうだと思ったんですけど、作間さんのお芝居からは全然そう感じない。言葉の強さは自分を守るためのバリアなんだなとか、その奥にある怯(おび)えや優しさ、人に対して丁寧でいたい気持ちがしっかりと見えてくるんです。
作間:そう言っていただけてありがたいです。でも逆に、作品としては影子がいるから真昼らしくいられる部分もあると思います。家のシーンもまさにそうで、話す相手が原さん演じる影子だったから自然にできたところもありました。
言葉の強さについては、監督と相談しましたね。「真昼って『お前』ってめちゃくちゃ言うんですけれど大丈夫ですか」みたいな話も(笑)。実際に言葉を減らしたり、監督にも調整していただいたりしました。でも、受け止めてくれる影子という純粋な存在がいたから成立したんだと思います。本当に作品の通り、二人がいて成り立つ関係性ですよね。
原菜乃華
――真昼はアイドルとしてパブリックイメージや期待に応えようとしている姿が印象的でした。この作品を通して、ご自身の俳優やアイドルという仕事について考えたりしましたか?
作間:この業界に限らず、人によって人生の感じ方って違うじゃないですか。それを改めて認識させられましたし、「汐見先生から見るとこの業界はこう見えるんだ」という発見もありました。自分の境遇とはまた違う世界線の人物を想像しながら演じていた部分もありますし、本当に人それぞれだと感じました。
原:私が演じた影子は芸能界をまったく通っていない子なので、その感覚がすごく新鮮でした。私だったら言いにくいと思うことを、影子はさらっと言うんです。でも、それが影子にとっては自然な感覚なんだという発見がたくさんありました。真昼に対して、それを言うのは踏み込みすぎかもしれないと思うようなことでも、影子にとっては何気なく聞いたことだったりする。そういう感覚の違いが面白かったです。
一方で、学生時代の自分とすごく似ている部分もあって。卑屈な一面やひねくれたところだったり、自己肯定感の低さだったり。自分が芸能界にいるからこそ、私の中には影子も真昼もどちらもいるような感覚があって不思議でした。どちらの気持ちも分かると思いながら脚本を読んだのは、もしかしたらこの作品が初めてかもしれません。
――作間さんはアイドルとして長く活動されていますが、真昼をどう見ていましたか?
作間:同じ期間仕事をしていても、みんな違う道を歩んでいて、年数を重ねていない人ならではの苦労もあると思います。逆に、長くやっているからこその苦労もある。なので、真昼に「もっとこうした方がいいんじゃないか」と思ったことはなかったですね。真昼の人間性と仕事への向き合い方を理解し、尊敬しながら演じていました。
――もし真昼にアドバイスをするなら?
作間:真昼の過去の出来事って、きっと誰にも分からない辛さだと思うんです。なので、「ご飯をよく食べろよ! 倒れるなよ!」ですかね(笑)。
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