韓ドラ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の魅力とは? 多くの人から愛された理由を探る

特集・レポート
2022年8月31日 21:00

■ウ・ヨンウ演じたパク・ウンビンの力

 加えて、パク・ウンビンが演じたからこそ、ヨンウが視聴者から愛されるキャラクターになったのは言うまでもない。子役から活躍し、キャリアと実力のある彼女でも、自閉スペクトラム症の弁護士を演じることにより誰かを傷つけてしまうかもしれないという理由で引き受けるまでに1年を要した。

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 ドラマの放送を終え、本人のInstagramには「怖いけど勇気を出してやってみること、ヨンウが歩もうとした道であり、ヨンウを通して学んだ道です。その道をパク・ウンビンも共にした旅路でした(一部抜粋)」とつづられている。覚悟を持って挑み、役柄と真摯(しんし)に向き合ったパク・ウンビンの人としての魅力がウ・ヨンウという人物をより輝かせたのだろう。

■ハンバダのメンバーも魅力的

 それから、主人公ヨンウだけでなく、ヨンウが働く大手弁護士事務所ハンバダの人々が、人間らしさのあるキャラクターだったのも良かった。

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 上司のチョン・ミョンソク(カン・ギヨン)は、SNSで“理想の上司”として名が挙げられるほど好感度が上昇。だけど彼もはじめはヨンウに偏見を持っていた。

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 また、同じロースクール卒業で同期のチェ・スヨン(ハ・ユンギョン)は絶対に敵わないヨンウに複雑な心情を抱えながらも、困っているヨンウを持ち前の正義感で守っている。ヨンウにとって“春の日差し”の彼女は、「弱者は強者だ」とヨンウをハンバダから追い出そうと企むもう一人の同期で“腹黒策士”のあだ名がついたクォン・ミヌ(チュ・ジョンヒョク)にあろうことか好意を寄せてしまう。しかしスヨンはミヌの“太陽”となり更生させていくまさかの展開に。

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 そしてヨンウに恋をしたイ・ジュノは、とにかく心の優しい青年である。ジュノの言葉はヨンウ(と視聴者)をドキドキさせるが、一つひとつの表情からは愛があふれて止まらない。ヨンウに向けた眼差しや笑顔まで繊細に演じたカン・テオの表現力には驚かされるばかりだった。そんなジュノでも、家族にヨンウを会わせたい気持ちを優先してしまいヨンウに無理をさせてしまうことも。キャラクターたちの良い面だけを描いていないからこそ、人間らしさを感じ、視聴者の深い共感を生み出したのだろう。

 身近な問題が扱われたストーリーに、世界観に引き込む演出、そして愛すべきキャラクターたちなど、それらの要素がうまく混ざり合い、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は愛されるドラマになっていったのではないだろうか。社会から偏見がなくなることはないかもしれない。けれど多様な種類の生物が共存している海で、あんなにも巨大なクジラは優雅で自由に泳いでいる。まるでその姿は「変わっていても自分には価値がある」と伝えてくれたヨンウのようだ。

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ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

ヨシン(ライター)

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