金ロー『塔の上のラプンツェル』吹替版声優をおさらい! 中川翔子の“優しさがにじむ声”に注目
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ラプンツェルと共に行動し、恋仲にもなるフリン・ライダー/ユージーン・フィッツハーバートの吹き替えを担当したのが畠中洋だ。舞台やドラマだけでなく声優としても活動し、ディズニー作品では実写、アニメーション問わず多くの主要キャラクターを演じてきた。その畠中が本作では色男のフリンを色香たっぷりの声で表現。
フリン・ライダー 写真提供:AFLO
フリンは、そもそも女性たちの憧れの的として描かれている。加えて、どこか浮ついた雰囲気もあり、これまでにもその容姿であまたの女性を引っ掛けてきたことがうかがえる。ディズニーに登場する王子の中ではアラジンも同じく泥棒稼業をしていたが、アラジン以上に女性慣れした異色のキャラクターでもある。しかしフリンには、それだけでなくワイルドさと頼りになるパワー、ここぞという時にはラプンツェルに真っすぐ愛情を注げる魅力がある。少し危険な男性に惹(ひ)かれてしまう人にとっては、ついつい夢中になってしまう存在だろう。畠中の演じたフリンは、まさに火遊びが本気になっていく男性の持つ愛と色気が込められている。
ゴーテル 写真提供:AFLO
本作でのヴィランにあたるゴーテルの声優は剣幸が務めた。どんなに卑劣だとしてもラプンツェルにとっての母親代わりであることに違いはないゴーテル。剣は悪役特有の邪悪さを持ち合わせたしゃがれ声と、美に執着する執念に燃えた低い声とを器用に使い分ける。根性の曲がったひねくれ具合が腹の底から湧き出るように、ラプンツェルをじわじわと追い詰める序盤のセリフ群が特にその演技力の高さを感じさせた。立場の二面性だけでなく、魔法を得ることで年齢が変わることによる声色の変化もあるゴーテルだが、剣は器用に演じ分け、いかに卑劣な思想の持ち主であるかを強く浮き彫りにした。
そのほかにも本作では、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でジョン・ディーコン役の日本語吹き替えを担当した飯島肇、さまざまなディズニー作品で活躍する石原慎一らが脇を固める。吹き替えキャストの演技に注目しながら、放送を楽しんでみては?(文:Nana Numoto)
アニメ映画『塔の上のラプンツェル』は、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて3月25日21時放送(本編ノーカット)。