ツンデレ“ドS”も“憧れの上司”もハマる、向井理の振り幅の広さ
4月期ドラマの向井理が眼福である。メガネ姿で過激な官能小説を書いたかと思えば、スカイダイビングで颯爽(さっそう)と登場し、優しくほほ笑みかける。向井は4月期ドラマ『先生のおとりよせ』(テレビ東京系/毎週金曜24時52分)、『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系/毎週水曜22時)の2作品で、必見のツンデレぶりから憧れの上司まで振り幅広く演じる。本稿では、ますます輝きを増す向井のこれまでの活躍を振り返りつつ、その魅力を探っていきたい。
【写真】小顔、長身で何頭身? 圧倒的美スタイルの向井理
◆“はかなさ”と“危うさ”の共存で魅了
向井といえば高身長にスラリと伸びた脚、そして驚くほどの小顔。一体何頭身なのかと誰もが気にかける美しい佇まいが印象的だ。しかしその魅力はルックスに止まらない。役によってガラリと変える表情や声色に、ふいに心をつかまれる。
これまでも向井は、『きみが心に棲みついた』(TBS系)の星名役などSっ気のある役を演じてきた。星名は一筋縄ではいかないゆがんだ性格。行き過ぎた行動も多い役どころだが、その芝居には危うさの中にもどこか放っておけない愛おしさがきらりと光る。改めて向井に心奪われた視聴者もいたことだろう。
一方で、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)の葉山役のように、優しく支えてくれる上司を演じさせても嫌味がない。葉山は突然、皆の前から姿を消してしまうなど、どこかつかめなさもありつつカリスマ性のある社長であった。このような“高嶺の花”のようなポジションも向井はしっかりと役を落とし込んで成立させることができる。
そして両者に共通する「危うさ」は向井にしか出せない魅力だろう。手に入れてもするりといなくなってしまうような、はかなさと危うさの共存。向井の持つ、こうした印象は余計に私たちの心をかき乱す要素となっている。
◆“ツン”と“デレ”があふれるドS官能小説家で新境地
そんな向井の魅力が顕著に表れているのが「ドラマ25」で放送中の『先生のおとりよせ』だ。本作での榎村遥華役もまた、ツンとデレという不安定なギャップで視聴者を虜(とりこ)にしている。榎村はお取り寄せグルメが大好きな、ドSの官能小説家。同じくお取り寄せにハマる漫画家・中田みるく(北村有起哉)とコラボ作品を作ることになる。この中田みるくという男はドMな“フェミニン男子”であり、ドSな榎村との名コンビぶりが作品を盛り上げる。本作での榎村は、気難しそうに眉間に皺を寄せながらキッパリと物申し、中田のことをはねのける。
しかし一転お取り寄せのこととなると、2人は意気投合し絶品グルメを楽しむことに。榎村がおいしいものを前にうれしそうに語る姿や、幸せそうに食べる表情のかわいさは、ツンと憎たらしい態度を吹き飛ばすほどにチャーミングだ。さらにはこの2人、文句を言いながらも実はお互いの作品のファンでもあり、ツンデレ榎村の魅力がグッと倍増される。
一方の水曜ドラマ『悪女(わる)』では、『着飾る恋』と同様の憧れの上司役で、向井は第1話からその存在感を爆発させていた。背の高い向井とヒロイン役の今田美桜が並んだときの身長差がまた良い。そこにハンカチで優しく涙を拭い、優しい笑みを見せるシーンも。短時間の出演ながら圧倒的なインパクトを残し、多くの視聴者の心をつかんだことだろう。
4月期は視聴者にとって、良質な向井理をたっぷり堪能できる作品がそろっている。両作とも違った魅力を見せているだけに、贅沢な楽しみ方ができそうだ。(文:Nana Numoto)
ドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』は、日本テレビ系にて毎週水曜22時、ドラマ『先生のおとりよせ』は、テレビ東京系にて毎週金曜24時52分放送。