「月がきれいですね」―― ツンデレ作家×新人編集『月光変奏曲』、“文学的でロマンティック”な恋に注目
人気急上昇中の若手スター、ディン・ユーシーとユー・シューシン共演のラブコメディ『月光変奏曲~君とつくる恋愛小説~』は、作家と編集者の“仕事と恋”を生き生きと描いた話題作だ。胸キュンの甘いラブストーリーを描くだけでなく、中国ドラマの新たなトレンドでもある、お仕事ドラマとして文学界&出版界をフィーチャーした内容が反響を呼んでいる。そこで今回は3つのポイントに分けて、本作の魅力に迫っていきたい。
【写真】ツンデレ作家役のディン・ユーシー&新人編集者役のユー・シューシン
■仕事のパートナーから恋のパートナーへ
近年、中国ではお仕事がテーマのラブコメが流行している。アパレル会社社長とデザイナーを主人公にファッション業界を描く『麗らかなキミにときめいて!~Sunshine of My Life~』や、医師と弁護士の視点から医療現場を描く『溺愛ロマンス~初恋、やり直します!~』のように、特定の業界を舞台に仕事で夢や理想を追う男女の恋愛を綴ったドラマが人気となっている。こうした作品は主人公カップルがそれぞれプライドを持って仕事に取り組み、二人三脚で成長していく姿を描いているのが特徴。甘いロマンスでありながら地に足のついた男女の生き方を映したストーリーが視聴者の共感を呼んでいるのだ。
そして、人気作家と新人編集者が仕事に恋に奮闘する『月光変奏曲~君とつくる恋愛小説~』もそんなドラマの一つとして中国で大ヒットしている。仕事だけでなく恋のパートナーとしても絆を深めていくこのカップルは、TVスターWeibo指数ランキングで2人揃って1位を獲得、TikTok人気キャラクターランキングでも並んで1位と2位に輝くほど視聴者の心を捉えた。
■「月がきれいですね」作家らしい愛の言葉にときめく!
新鋭作家ジョウ・チュワン(ディン・ユーシー)を担当する編集者チュー・リー(ユー・シューシン)はひょんなことから彼と同居生活を送ることに。リーはチュワンの才能を買っているが、チュワンは一筋縄ではいかないあまのじゃくな性格で2人はケンカばかり。でも、心の内ではお互いに相手が気になっている。
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そんな2人の恋のキーワードとなるのが「月がきれいですね」の言葉。これは夏目漱石が英語の授業でアイ・ラブ・ユーの翻訳は「月がきれいですね」とでも訳しておきなさいと言ったという逸話に基づいているが、本作ではチュワンもリーも漱石のファンという設定だ。作家らしく「恋文に“好きです”と書くんじゃ下等すぎる。高尚な手段で伝えないと」と豪語していたチュワンが、リーからのメッセージ「月がきれいですね」に返したアンサーとは? 文学的なセリフがちりばめられた、文学少女を胸キュンさせるロマンティックなシーンの数々にも注目だ。
■中国の文学界と出版界のリアルな現場をのぞき見!
中国では2000年代に韓寒、郭敬明といった若手イケメン作家が現れ、マルチに活動を広げて新世代作家として注目を集めたが、現在はデジタル・ネイティブ世代の作家がインターネットから発信する時代になっている。文学サイトに小説を投稿してファンを獲得し、出版社から書籍を発売してベストセラーになれば人気作家の仲間入り。さらに作品が映像化、ゲーム化などメディアミックスされて大ヒットすれば、富豪作家ランキングにランクインするようなスター作家にもなれる。そんな中国の文壇事情がうかがえる作家たちの仕事ぶりも、このドラマの見どころだ。
また、編集者が小説をブラッシュアップするべく努力を重ね、装丁にも工夫をこらして1冊の本を作り上げていく過程や、SNSをフル活用してファンに向けてキャンペーンやイベントを行う様子など、中国の出版業界のリアルな現場を垣間見ることができる。
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