『有翡(ゆうひ)』の舞台「江湖」って? 中国時代劇ドラマ“あるある”の専門用語を解説
『山河令』原作者&『楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~』監督によるコラボで、2020年度時代劇ドラマランキング1位となった話題の中国時代劇ドラマ『有翡(ゆうひ)‐Legend of Love‐』。本作は、チャオ・リーイン演じるヒロイン・周翡(しゅうひ)とワン・イーボー演じる謎めいた貴公子・謝允(しゃいん)が秘宝をめぐる冒険で活躍していくアクション・ロマンス史劇だ。中国時代劇ドラマを見ていると“専門用語”が所々出てくるが、中国ドラマファンの人でも「実はあまりよくわかっていない」という人が少なからずいるのではないだろうか? そこで、今回は『有翡(ゆうひ)』の中から“これさえわかればドラマがもっと楽しめる”という中国時代劇ドラマ“あるある”の専門用語をピックアップして解説していきたい。
【写真】『有翡』チャオ・リーイン演じるヒロイン&ワン・イーボー演じる謎めいた貴公子
■ 江湖(こうこ)
ドラマの舞台となる「江湖」は武術自慢の者たちが覇権を争う弱肉強食の世界。独自の武術や伝統を継承する複数のグループがしのぎを削り、正義を標榜するグループと悪と恐れられるグループがいるのがお約束。本作では“正義の代表”が主人公・周翡のいる「四十八寨(しじゅうはちさい)」、“悪の代表”が多くの悪党キャラが集う「地サツ山荘(ちさつさんそう)」となっている。
■ 軽功(けいこう)
(C)2020 Shanhai Fanstory Works.All Rights Reserved
謝允が得意とする「軽功」は体を軽くして素早く移動する技。古くから伝わる中国の伝統的な技で、本来は身軽に岩場を登ったり塀を飛び越えるパルクールのようなものだが、ドラマでは屋根の上に軽々と飛び上がったり、水面の上を颯爽と走ったりもできるスゴ技として表現される。
■ 内功(ないこう)
(C)2020 Shanhai Fanstory Works.All Rights Reserved
武術を使う際に重要なのは拳や刀を振り回すだけでなく、この世のエネルギーである「気」を操ること。ドラマでは自分の体内にある「気」を自在に操る「内功」を使う登場人物たちが、触れずして相手を吹っ飛ばすことも可能な超人的なパワーを出して戦う。なお、謝允が武術で戦わないのは、ある理由から「内功」が使えない体となっているためだ。
■ 令牌(れいはい)
謝允が「四十八寨」で周翡の父親・甘棠公(かんとうこう)に見せる「令牌」は軍隊の命令を伝えるための札。ドラマでは皇帝など偉い人の命令を伝える「令牌」が登場し、水戸黄門の印籠のような役割を果たすこともある。
■ 文闘(ぶんとう)
本来の意味は武力を使わずに言葉で闘うこと。ただし、ドラマでは周翡が紀雲沈(きうんちん)から秘術を伝授された時のように、目を閉じて体を動かさずに黙って向かい合う2人が、魂を通い合わせて闘う方法として表現されることもある。似たような例としては、チャン・イーモウ監督の映画『HERO』の名場面、ジェット・リーとドニー・イェンのバトルシーンが有名だ。
■ 奇門遁甲(きもんとんこう)
陰陽五行、八卦などを基にした中国の占術で、三国時代の天才軍師・諸葛亮孔明はこれを戦で活用して勝利を収めたとも言われている。本作では周翡のいとこ・李晟(りせい)が「奇門遁甲」の術を学ぶことで、軍師としての才能を開花させていくことになる。
■ 蓬莱(ほうらい)
謝允の師匠が住む島「蓬莱」は古代中国の伝説で東の海にあるとされていた仙人が住む場所。現在の台湾を指していたのではないかという説もある。
■ 海天一色(かいてんいっしき)
本作で登場人物たちが争奪戦を繰り広げる、天下を手にすることができる秘宝。この「海天一色」の謎を解くために必要な5つのアイテムは「水波紋」と呼ばれる。このように皇室のお宝や武術の秘伝書などをめぐって人々が争うのはドラマでは定番の設定。登場人物たちが秘宝を求めてアイテムを集めたりミッションをクリアしていったりと、RPGゲームさながらの展開が待ち受ける。
今回紹介したのはほんの一部だが、これらの用語を知っているとさらに本編を楽しめることは間違いなしだ。
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