【レビュー】映画『エゴイスト』鈴木亮平×宮沢氷魚の“恋愛”だけではない、“救いの物語”に注目
『俺物語!!』『孤狼の血 LEVEL2』、大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)など、体形や見た目から変ぼうしてみせ、和製ロバート・デ・ニーロと呼ばれることも多かった鈴木亮平だが、外見をガラリ変えずとも、その人として作品に息づいてみせるのは、人気作『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)や、話題になったばかりの『エルピス-希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系)などでも証明済み。公開になった『エゴイスト』でも、画面に現れた瞬間に、鈴木という俳優は消え、ゲイの浩輔が、ただそこにいることにハッとする。男性カップルのラブストーリーとして観に行く人が多いと思うが、ある出来事を境に映画は急変。一気に浩輔の内面へと入っていく。本作は、実は救いの物語でもある。

クランクイン! 写真:池村隆司