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全員ハマり役だった『あなたがしてくれなくても』 視聴者を引き込んだキャストの好演

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岩田剛典

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◆岩田剛典でなければ成立しえない魅力を放った誠 彼の持つ上品さが役と融合


(C)フジテレビ
 みちと惹かれ合う誠を演じた岩田剛典もまた、彼でなければ成立しえない魅力を放っている。みちの上司で、優秀で人当たりがよく、見た目もいい、社内でもファンが多い人気者。しかもファッション誌の副編集長を妻(田中みな実)に持ち、自らの手作り弁当を持参する愛妻家の完璧男だ。そんな人いないと突っ込みたくなる役どころだが、岩田自身の持つ上品さがとてもうまく役と融合した。そして、この上品さが、見ようによっては、離婚前から妻に見切りをつけ、別の女性へと完全に心を移してしまった冷たい男性と言えなくもない(もちろん、妻の楓は、誠にそれ相応の態度をとってきたのだが)キャラクターを、最後まで上品に演じ切っている。

 幼い頃、最後の1ピースが無くなり完成させられなくなったパズルを前に大泣きし、新たなパズルを買ってもらったというエピソードに見られる完璧主義も、納得できるものとして入ってきた。また、第10話のラスト、みちに告白を断られ、水族館でひとり泣き崩れる姿は、初めて、“素直に”感情を表に出した誠を見た気がした。そのとき、とても切なく、駆け寄りたい気持ちになったのは、岩田の持つ魅力ゆえだろう。

◆田中みな実の楓は、バリキャリの前半はもちろん、後半の変化こそに拍手を

(C)フジテレビ
 そんな誠の妻、楓を演じたのは田中みな実。ファッション誌副編集長というバリキャリの役柄が似合っていただけでなく、演技そのものが光っていた。前半、誠の配慮にも余裕がなくて気付かずに、かなり冷たい態度になってしまっていた楓。仕事のトラブルで疲れていた結婚記念日の夜、「遊んでるわけじゃないんだよ!」とキスさえ断ってしまうシーンについても、キャパ超え状態だったからだが、そうした状態が続いたせいで、誠の心は離れてしまった。そしてこの、誠の心が離れて以降の楓が素晴らしかった。

 誠の変化に気づき、不審に思い、猜疑心に苛まれ、みちを呼び出して対峙(怖かった…)。さらに陽一のカフェにまで赴くが、最後は誰かのせいではなく自分の状況を受け入れ、MEGUMI編集長、もとい圭子編集長の前で涙を流す。まるで鬼が仏として悟りを開くまでを見たような、離婚を承諾した楓は、そんな境地に達したようにさえ見えた。しかし、前話のラストではあれだけ願っていた編集長になれないという仕打ちが(しかし、前半の彼女の余裕のない言動を思うとそれも納得という哀しさも)。ともかく、拍手を送りたくなるほどのハマりっぷりを、特にその瞳の美しさに、見せてくれた。

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◆武田玲奈が後輩・北原華を好演 金言をサラリと吐く姿も様に

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