“ディズニーいちの最低男”『アナ雪』ハンス、実は超不憫だった 13番目の王子が背負っていたアレコレとは
人々の心を映しながら、兄たちに認められようともがいたハンス。“本当の彼”は一体どんな男だったのかは、ついぞ分かることはない。物語に「もし」はないが、もし順調にアナと結婚して、兄たちのもとを離れてアレンデールで暮らしていたら、男としての抑圧もその背から下ろせたかもしれないし、人の心を映すことも辞められたかもしれない。そして、本来の自分を取り戻せたかも…なんて思ってしまう。
すでに結構きつめな運命を背負ったハンスだが、物語の外に目を向ければ、ディズニーからは“ディズニー的展開の脱却”という役割も背負わされている。王子と一目で恋に落ち、姫はいつまでも幸せに暮らしました…という、ディズニーがこれまで作り上げた恋と愛のイメージをぶち壊したのもまたハンスである。
映画『アナと雪の女王』場面写真 写真提供:AFLO
いろいろと背負わされた結果、“史上最低”とまで言われるヴィランに身を落としたハンス。もちろんエルサに剣を振るったのは事実なので最低男確定であることは変えられないが、多少…情状酌量の余地はあったような気もしてくる。今夜の放送では、ハンスにも少し思いを馳せてあげてほしい。(文:小島萌寧)
映画『アナと雪の女王』は、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて11月29日21時放送。