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【ドラマ考察】『ちょっとだけエスパー』分かってきたこと、謎なこと――ホンモノ感爆発の新キャラも降臨!

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◆舞踏家・麿赤児の存在感をいかんなく発揮してくれるだろう“白い男”

 俳優、舞踏家、演出家として活躍する麿は、現在、82歳。1965年に唐十郎の劇団「状況劇場」(紅テント)に参画し、翌年には暗黒舞踏の創始者・土方巽に師事。1972年に舞踏カンパニー、大駱駝艦(だいらくだかん)を旗揚げした。『さよなら渓谷』『おーい、応為』の大森立嗣監督、俳優の大森南朋と、長男、次男ともに活躍しているのも知られたところだ。

 今回、なぞの“白い男”として登場したが、おそらくこれまでにも多くの人が、“舞踏家・麿赤児”の裸体に白塗りのインパクト大ビジュアルを、一度は目にしているだろう。その存在感と実力は映像界でも発揮されており、近年も『牙狼〈GARO〉』(テレビ東京)『ルパンの娘』シリーズ(フジテレビ系)や、映画『翔んで埼玉』、今年、綾瀬はるか主演で放送されたドラマ『ひとりでしにたい』(NHK)などなど、「麿さんでなくては!」と思える役柄が多い。

 『ちょっとだけエスパー』公式サイトでは、第5話放送後に相関図が更新され、麿演じる“白い男”が加わった。しかしバランス的に、白い男の左右に空きスペースが残されている。物語全体に絡む新キャラ投入は、これで終わりではないのかもしれない。

◆世界に必要なのは、結局ヒーローではなく愛?

 「いつかSFを作りたい」と言い続けてきたという野木にとって、念願の初SF連ドラになった『ちょっとだけエスパー』。毎話驚くばかりの展開はさすがとしか言いようがないが、5話まで行きついたことで、情報が増える一方、気になることも出てきた。

 まず第5話ラストで、四季の脳裏によぎる重傷を負った人物が、文太から兆へと切り替わった。兆こそ四季の本当の夫なのだろうか。さらに、あの事故(爆破?)は過去ではなく、これから起きる出来事であり、それによって死ぬのは夫ならぬ、四季なのではないかという予想が浮かぶ。

 今回、文太は兆から最終目的が「10年後に起きる1万人が死ぬ大惨事を止めること」だと伝えられた。でも、真の目的が四季を救うことだとしたら。1万人の中に四季が含まれているのだろうか。“人を愛してはならない”と掲げるノナマーレの発端には、“エクサバイト”な兆の愛があるのかもしれない。

 さらに文太は、市松に触れた瞬間、「お前のせいで1000万人が死ぬ」という心の声を聞く。1万人を救うことが、1000万人の死につながる? それらの未来をともに回避する、第3の未来はないのか。

 また、ヒーロー(善)とヴィラン(悪)という対立の言葉が出ているが、どちらも自分たちの“正義”を抱えており、視点によって立場そのものが変わってくる。そして“白い男”の正体は。未来の兆なのか。あのホンモノ感からは、あくまで中立にいる“何か”の可能性もある。

 兆に集められたメンバーの中での、文太の異質さも気になる。円寂の過去が明らかになったことで、円寂、桜介、半蔵は「愛ゆえに」罪を犯した3人だと判明した。しかし文太は、「みんなやってた横領だった」と口にしていた。

 そして、いま、偽りの妻・四季への愛が生まれている。これからどんな方向に展開していくにせよ、文太を通じて、本ドラマのキャッチコピー「世界には、<ヒーロー>が必要だ」ではなく、「世界には、<愛>が必要だ」に着地するのでは。と、言ってみたものの、結局はあれこれと疑問を噴出させただけ。野木さんの創造する世界を予想することなど不可能なのだ。つまりは、このまま手のひらの上で転がされる喜びに浸るしかない。(文:望月ふみ)

 ドラマ『ちょっとだけエスパー』は、テレビ朝日系にて毎週火曜21時放送。

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