【レビュー】『バイオハザード レクイエム』“静と動”のダブル主人公によるゲーム体験はもはや別作品並み(ネタバレなし)
「バイオハザード」シリーズの最新作『バイオハザード レクイエム(以下、レクイエム)』(PS5/Xbox Series X|S/Steam/Nintendo Switch 2/Epic Games Store/GeForce NOW)が2月27日に発売された。本作はグレース・アッシュクロフトとレオン・S・ケネディ、ふたりの主人公の視点から新たなドラマと恐怖を味わえるサバイバルホラーゲームだ。今回はPS5版をエンディングまでプレイしたので、ダブル主人公それぞれのプレイフィールをメインに感想を語っていこうと思う。
【動画】『バイオハザード レクイエム』のストーリーを捉えた4thトレーラー
物語の発端は、アメリカ各地で発生する連続変死事件。とある廃ホテルで新たな変死体が発見され、FBI分析官のグレース・アッシュクロフトに捜査の任が下された。8年前に同じホテルで母親を失った彼女は、過去を乗り越えるべく現場へと赴く。
時を同じくしてこの変死事件を追うのは、対バイオテロ組織「DSO」に所属するエージェント、レオン・S・ケネディだ。廃ホテルで警官が消息を絶ったという連絡を受け、彼も現場へ急行。ひとつの事件を通して、ふたりの運命は交錯し、やがて世界を震撼させた生物災害“ラクーン事件(『バイオハザード RE:2』で起こった事件)”に隠された真実へと繋がってゆく。
グレースが調査に赴くレンウッドホテル。全てはここから始まる… (C)CAPCOM
■“静”のグレースと“動”のレオン メリハリの利いたプレイが気持ちいい
『レクイエム』のストーリーは、グレースとレオンを交互に操作することで進行する。それぞれの操作パートはまるで別作品かと思うほどプレイ体験が異なっており、主な特徴は以下の通り。
【グレースパート】
・カメラが一人称視点(オプションからいつでも三人称視点に変更可)
・探索と謎解きがメイン
・持ち運べるアイテム数が少なく、拾える銃弾や回復アイテムも限られている
グレースパートは、マップ内をくまなく探索してアイテムや情報を手に入れ、謎を解くといった往年の「バイオハザード」シリーズらしいプレイが醍醐味になっている。アイテムを収納するカバンも1種類につき1マス使うため、持っていくアイテムを取捨選択しながら「アイテムボックス」(随所に配置されたアイテムの出し入れができる箱)のある場所を行ったりきたりする感覚は、初代『バイオハザード』を思い出した。
また、ゾンビに遭遇したときも初代『バイオハザード』のように無暗に戦わないことが重要になる。グレースはレオンに比べると体力が低い上に武器も弱い。さらには銃弾を拾える数もそれほど多くないので、戦いにおいては相手の行動をよく見ることが肝心。本作のゾンビは生前の行動を繰り返す習性があり、その行動を利用すれば視界から逃れられたり、背後を取って倒したりもできる。
ゾンビの行動にはある程度の規則性がある。このゾンビは料理長なのでキッチンにある物が利用できるかも? (C)CAPCOM
このように、グレースは基本的に戦闘に向いていないためプレイ中は常に死と隣合わせ。特に、大型のクリーチャーとの追いかけっこは攻撃が当たればひん死、最悪ゲームオーバーにもなるから逃走中の緊張感が半端ではない。筆者も本シリーズを何作かプレイしているのだが、恐怖レベルは一番怖かった『バイオハザード7 レジデント イービル』に匹敵するほどだと感じた。
グレースはウイルス感染者の血を利用してアイテムのクラフトができる。「破血アンプル」はゾンビを背後から一撃で倒せる強力なアイテムなので1本あると安心 (C)CAPCOM
一方、レオンパートの特徴は以下の通り。
【レオンパート】
・カメラが三人称視点(オプションからいつでも一人称視点に変更可)
・ゾンビやクリーチャーとのバトルがメイン
・持ち運べるアイテムが多く、弾薬や回復アイテムもグレースパートより潤沢
レオンはシリーズで何度も死地を潜り抜けてきた歴戦のエージェントなだけあって、多彩な武器と体術を駆使した戦闘がとにかく爽快。『バイオハザード4』以降おなじみとなった三人称視点での射撃に加え、新登場の斧「トマホーク」が射撃一辺倒な戦い方にさせない絶妙なアクセントになっている。
普通のゾンビなら「トマホーク」だけで倒すこともできるので銃弾を節約したいときにも活躍するし、背後からゾンビに近づけば一撃で倒すこと(ステルスキル)も可能。レオンは一対多数になる局面も多いので、「トマホーク」を駆使しながら銃弾を節約できると、結果的に有利な状況を作りやすくなる。
敵の攻撃に合わせて「L1」ボタンを押してパリィ。成功すればダメージを無効にできるので優秀な防御手段だ (C)CAPCOM
レオンパートの爽快感は、グレースパートで溜まった緊張やストレスを解放してくれるカタルシス的な役割も持っており、緩急のつけ方が非常に秀逸。どちらかのパートに比重が傾きすぎることなく、それぞれのパートが計算された見事なバランスで配置されていた。こう書くとレオンパートが簡単に思えるかもしれないが、そんなことは全くない。なんなら筆者の死亡回数はレオンパートのほうが多かった(難易度は「Standard(Modern)」)。
というのも、グレースパートは基本的に戦わずにその場をやり過ごす局面が多くなるので、敵を誘導したり足止めしたりするヒントがある程度用意されている。かたやレオンパートは、純粋なキャラコンやエイム力が必要になるため迫る多数の敵に焦って予想以上に苦戦してしまった。幸いにもチェックポイントはかなり細かめに取られていてやり直しは苦でないし、敗北から学習して行動を最適化していくのもそれはそれで楽しい。
大型クリーチャーとのバトルは迫力満点。どいつもこいつも一筋縄ではいかない強敵なので手に汗にぎる戦闘が楽しめる (C)CAPCOM
多くのプレイヤーを苦しめてきたチェーンソーがついに自分でも使えるように! バッサバッサとゾンビを切る爽快感はやみつき (C)CAPCOM

