林遣都に“走る”役が集まるワケ『風が強く吹いている』で大学陸上部からスカウトも
これほどまでに走れる俳優、ほかにはなかなかいない。浅野氏もこう話す。
「林君が持っている真っ直ぐでひたむきなイメージは、スポーツの世界観にはまりやすいと思います。どんな役を演じても必ず強い信念に満ちていて、飾ることはせず、その役を愚直に演じ切ることにすべてを捧げている。役を楽しみながらストイックに自分自身を追い込む姿が、作品を通して現れている。また、マラソン、駅伝、運動会など、人が走る姿は、見る人を引き付けます。走るという行為が感動を呼ぶとすれば、林君のように魅力的に走ることができる俳優は、その点でアドバンテージがあるのではないでしょうか」。
そして、浅野氏はこうも付け加える。
「林君の魅力は観客との距離感です。彼が演じる人物は、いつも身近に感じることができて、気持ちが乗りやすい。説得力があります。さらに、小手先で飾らないから、壁を作らずに見ている人にストレートに刺さるし、役にとことん向き合う姿勢が、確かな演技力にも裏打ちされて、作品の中に“生身の人間”を生み出す事ができる。素晴らしい俳優だと思います」。
キャラクターに血肉の通った“生身の人間”を生み出せることに加え、“走り”という人を引き付ける武器も持つ、ある意味、最強の俳優・林遣都。そんな林の最新作『玉川区役所 OF THE DEAD』、演技と同様に、魅力のひとつである“走りっぷり”にも注目だ。