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中国パワーに魅せられたハリウッド、急成長を遂げる中国の映画興行成績

映画

中国で大ヒットした『ワイルド・スピード SKY MISSION』※写真は中国版ポスター 
中国で大ヒットした『ワイルド・スピード SKY MISSION』※写真は中国版ポスター (C)AFLO

 中国における映画の興行成績が、とんでもない勢いで伸び続けている。この1年で、チケットの売り上げは、なんと50%もアップ。このままでいけば、あと2年ほどで、中国は北米を抜いて世界一の映画市場になると見られている。

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 急激な成長の大きな理由に、映画館が次々にオープンしていることがある。中国では、毎日10個のペースでスクリーンが増えているのだ。現在、中国には全部で5700の映画館があり、総スクリーン数は2万6000。大都市だけではなく、地方でも増加を続けており、近年拡大しているミドルクラスにとって、映画を見に行くのは、日常的な娯楽になってきた。

 ハリウッドにとって、中国市場にはまだまだハードルがある。スタジオは、ほかの国よりもずっと少ないパーセンテージの興収しか受け取れず、ほとんどを中国に取られてしまう仕組みである上、どんなにヒットしていても、期限が来ると上映を打ち切られてしまう。1年に上映する外国映画の上映数は枠が決まっているため、その枠の中に入れてもらわなければいけない。たとえ入れてもらえたとしても、センサーシップ(検閲)のせいで、映画の一部がカットされることも日常茶飯事だ。

 また、スタジオが自由に公開日を決められないせいで、競合するハリウッド映画と同じ日に公開日を指定されてしまうこともある。これは、中国政府が、ハリウッド映画に市場を取られてしまわないよう、意図的にやる戦略だ。

 それでもハリウッドが中国市場に注目するのは、ほかではありえない数字を上げてくるから。たとえば、『ワイルド・スピード SKY MISSION』は、4月なかばから5月末までに3億9000万ドルを売り上げた。北米の現在までの興収は、3億5000万ドル。ほかのどの国も、ここまでの成績は上げられない。中国市場にアピールするために、近年、スタジオは、わざわざ中国人俳優をキャスティングするなどの工夫をしばしば行うが、『ワイルド・スピード』の場合は、そういったことすらいっさいやっていないのも、特筆すべきだ。

 中国パワーに魅せられたスタジオが、今後、中国受けを意識した映画を中心に作り始めるのではないかという懸念も、一部ではささやかれている。それとは別に、ハリウッド映画が成功しすぎるのを恐れる中国政府が、さらなる規制をかけてくる可能性も恐れられている。いずれにせよ、すべての目は、今、中国に向いているのだ。(文:猿渡由紀)

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