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女は若くないとダメ? 名アクション映画復活に見えてきたハリウッドの不平等

映画

 40歳を過ぎると女優には役がないと昔からハリウッドでは言われてきたが、21世紀になっても、状況はあまり変わっておらず、男は年寄りでもいいが、女は若くなければいけないという、不平等な美学がまかり通っている。98年の『6デイズ/7ナイツ』で、当時56歳だったハリソン・フォードの恋のお相手に、29歳だったアン・ヘッシュがキャストされた時は批判の声が出たが、2013年の『アメリカン・ハッスル』でも、クリスチャン・ベイル(当時39歳)の妻はジェニファー・ローレンス(当時23歳)だった。

 2012年の『テッド』で、マーク・ウォールバーグ(当時41歳)の恋人はミラ・クニス(当時29歳)。『テッド2』での新しい恋人も、14歳年下のアマンダ・セイフライドだ。現在32歳のオリヴィア・ワイルドですら、「歳を取りすぎている」という理由で、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオ(現在41歳)の妻役を落とされたと告白している。

 状況が改善されないのは、スタジオのトップを占めるのが、今も圧倒的に男性だということが大きいだろう。今年の演技部門のオスカー候補者が全員白人だったことへ非難が集中した直後に発表された調査では、ハリウッドのスタジオのトップが圧倒的に白人で、男性であるという事実が、あらためて明らかになっている。「白すぎるオスカー」非難に教訓を受けたアカデミーは、すでに、会員の多様化に向けて動き出した。スタジオも同じように、女性やマイノリティを積極的にトップに招き入れない限り、このゆがんだキャスティングの視点は、変わらないだろう。(文:猿渡由紀)

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