香取慎吾が「一緒に行こう!」と投げかける絵画展示のアート展へ行ってきた!

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気持ちのいい空間だ。円を描くように設計されたゆるやかなスロープの先には、香取慎吾が作家として出展した2つの絵画が展示されている。東京・スパイラルガーデンにて10月31日まで開催中の『日本財団DIVERSITY IN THE ARTS企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー』には、障害のあるなしを越えた22名の作家が参加しており、香取もそのうちの1人だ。今回、会場へ実際に足を運んで作品を鑑賞し、香取の出展作品への想いと共に、展示会レポートをお届けする。
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香取は、本展を「境界線のないアート展」と称する。「障害があるかどうかは関係なく、人は誰かがいないと生きてはいけません」とした上で、自身も誰かにサポートしてもらいたい、困っている人がいたらサポートしてあげたいと思う時があるという。「そうした感情に垣根はないと思うんです」。つまり「サポートしあう」気持ちは、区切りも、大きさも、隔てるものは何もなく、ただ雄大に広がりつつあるもので、その思いを具体的な形にしたものが、本展ということになるのだろう。そんな「境界線のないアート展」への参加を、「こんなに嬉しいことはありません」と喜ぶ香取の力作は、『火のトリ』と『イソゲマダマニアウ』だ。
真っ赤な色が特徴的な『火のトリ』は、キャンバスではなく、ダンボールに描かれている。爆発しそうに辛かった気持ちが、描き始めるとだんだん落ち着いていき、同時に色合いも華やかになっていったそうだ。まさに「マイナスをプラスに変えようと、熱く燃える炎が“火のトリ”になっていく」プロセスを経た作品らしく、「最後には『OK!晴れました!』という絵を、僕は描きたいのだと思います」との香取の言葉どおり、鮮やかな仕上がりになっている。厚く塗られた赤の上に、金色を散らした筆づかいが独特で、間近で見ると、想像以上に金色の煌びやかさが映える。
一方の『イソゲマダマニアウ』は、「漫画にこんなキャラクターがいたらいいな」とひらめいたのがきっかけ。香取は、自身の作品には、「どこか共通して飛び出したい、羽ばたきたい、といった、心のつまりを絵の中にぶつけているようなところがあるのかもしれません」と分析する。本作も、「抜け殻のようなスカルに『まだ間に合うから大丈夫、一緒に行こう!』と投げかけているようにも思います」というが、実はスカルの白が、ほかの部分に比べると、厚く塗られているのがわかる。おそらく何度も色を重ねたのだろうか、香取の思いの厚さが、そこに現れているようだ。
こうした香取らの作品は、アトリエ・ワンが設計・デザインした会場に並ぶ。静かに過ごせるよう照明が落とされた部屋「クワイエット・ルーム」や、困った時にすぐ対応してくれるスタッフが常駐する「ウェルカム・ポイント」などがあり、あらゆる鑑賞者と作家が双方向からつながる作りになっている。
『日本財団DIVERSITY IN THE ARTS企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー』は、東京・スパイラルガーデンにて31日まで開催。