仲里依紗、ゼブラクイーン&実写“時かけ”から10年…親しみやすさとクセ役の絶妙なバランス
◆抜群の演技力を誇る名バイプレイヤーの一面も
女優・仲里依紗の魅力といえば、スクリーン映えする存在感もさることながら、さまざまな役柄がこなせる抜群の演技力も挙げられる。
特に近年はその高い演技力を活かしてバイプレイヤーとしても大活躍。武井咲のライバルホステス役でインパクトを残した『黒革の手帖』(2017年・テレビ朝日系)や、2019年放送のドラマ『フルーツ宅配便』(テレビ東京系)では濱田岳演じる主人公の同級生で壮絶な過去をもつセックスワーカー役を好演。また同年放送の高橋一生主演ドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)では、高橋扮する銀行員に片思い中の友人の妹として登場。優雅な独身生活を謳歌(おうか)する主人公たちを“こじらせ男子”と喝破する絶妙なツッコミキャラとして物語を盛り上げた。
『美食探偵 明智五郎』では、殺人に手を染める主婦を熱演 (C)日本テレビ
そんな仲は現在『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)と『エール』(NHK総合ほか/月曜~土曜8時)に出演している。『美食探偵~』では殺人を犯す主婦みどりを怪演。床に落ちた煮物を無理やり夫から食べさせられたり、血まみれで死体を“解体”したりと闇に落ちる主婦を迫真の演技で体現。その直後に放送された『エール』で演じたのは、窪田正孝と二階堂ふみ演じる夫婦が通うことになる喫茶店の店主。『美食探偵~』とは真逆の世界観でコミカルな表情を見せながら、過去は謎に包まれているという、仲にしか演じられないような役柄で異彩を放っている。
朝ドラ初出演となる『エール』ではコミカルな役で話題を集める(C)NHK
◆歌手、そしてYouTuberとしても親しまれる存在に
圧倒的な存在感と抜群の演技力で主演からバイプレイヤーまで器用にこなす彼女だが、女優業以外の活動も見逃せない。
『ゼブラーマン‐ゼブラシティの逆襲‐』では、ゼブラクイーン役で強烈なインパクトを残した(C)2010「ゼブラーマン-ゼブラシティの逆襲-」製作委員会
2010年に彼女が出演した映画『ゼブラーマン‐ゼブラシティの逆襲‐』では、主人公のゼブラーマンと対峙するゼブラクイーン役でヴィランに挑戦。超人気ロック歌手という設定のゼブラクイーンを演じた仲は、映画公開の直前にゼブラクイーン名義でCDデビュー。露出度の高いコスチュームでハードなロックチューン「NAMIDA~ココロアバイテ~」を熱唱し、本職の歌手にも引けを取らない迫力ある歌声を聴かせてくれた。
そして2020年4月にはYouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』を開設し、メイク動画やトレーニング動画、料理動画などをハイペースで更新。黒ギャルメイクに挑戦してみたり、カバンの中身を披露してみたり、ナイトルーティンを公開してみたりと、どの動画も彼女の飾らない人柄が存分に堪能できる仕上がりに。女優業だけでなくYouTuberとしても高いポテンシャルを発揮している。また、インスタグラムで抜群のファッションセンスや、夫・中尾明慶との仲睦まじい様子を披露し、同性からの高い支持を集めている仲。演技以外のジャンルでもますますその唯一無二の存在感に磨きをかけそうだ。
近日公開の映画『はるヲうるひと』場面写真(C)2020「はるヲうるひと」製作委員会
今後は、俳優の佐藤二朗が監督を務め、山田孝之と共演した映画『はるヲうるひと』(近日公開)が待機中の彼女。架空の島にある売春宿を舞台に、生きる手触りがつかめず、死んだように生きる男女が、それでも生き抜こうともがく壮絶な闘いを描く本作で、佐藤監督いわく「誰も見たことのない仲里依紗」が見られるという。幅広い役柄を軽やかにこなす女優業に加え、YouTuberとして、そして1人の女性としてもさらなる輝きを放つ仲里依紗からますます目が離せない。(文:スズキヒロシ)