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福士蒼汰が“残虐な殺し屋”、向井理が“冷酷なヤクザ”に 『ザ・ファブル』エゲツない敵役たち

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■ 哀愁ただよう“昔気質のヤクザ”を体現 柳楽優弥

柳楽優弥
 柳楽優弥演じる小島の見せ場は突然やってくる。殺人罪で8年服役していた彼が出所後、金を貸していた相手を強襲するシーン。小島に気づかず電話しながら歩いてくる相手を、自転車で通り過ぎざまにナイフで刺す姿は、ロングショットで撮影されていることでかえって印象的なシーンに仕上がっている。

 ただ小島は、向井演じる砂川のような冷酷な合理主義者とは違い、後先考えられない直情型の“昔気質のヤクザ”。ミサキ(山本美月)のある過去につけこんで恐喝しようとするなど非道ではあるが、一方、戦闘能力はそこまで高くないよう。砂川の陰謀で拉致された際、ファブルに救出されることになるが、足手まといになりながら逃げていく情けないさまは、かわいげさえ出てくる。

 兄貴分の海老原(安田顕)との関係性も見逃せない。その抑えの効かない性格ゆえに、裏切ってはならない人を裏切ることになってしまう小島。クズであるけど、どこか憎めないキャラクターに仕上がったのは、柳楽の表現力があってこそだ。

■ 振れ幅の大きさは随一、木村了

木村了
 フードの殺しの相方、コードを演じたのは木村了。福士の演じる残虐っぷりも見ものだが、振れ幅の大きさから言えば木村も負けていない。

 端正な顔立ちで、流麗な存在感を放つ木村だが、本作で演じているコードはその対局で、ファンも鑑賞した際に驚いたのではないだろうか。ヒゲヅラでツーブロックを後ろで束ねたその容ぼうは、フードと同じくそこらへんにいるチャラチャラした大学生のようだが、やることもフード同様にエゲツない。

 特にクライマックス、奇声をあげながらミサキを追い詰めていくシーンは狂気を感じさせる。ヨウコ(木村文乃)の前にあっさり敗れるが、その鮮やかなやられっぷりもまた見事だった。

■ 佐藤浩市、安田顕、井之脇海も!

 そのほか、ファブルと対決こそしない脇を固めるキャラクターたちも、確かな存在感を放っている。

 ファブルのボスを演じる佐藤浩市と、組織の幹部・海老原を演じる安田顕は、さすがの芸達者ぶりを見せているが、この2人については、ファブル×ボス、小島×海老原というネガとポジの関係にある2つの師弟関係を通してみると、より深みの出てくるキャラクターになっている。

 さらに、今年はドラマ『俺の家の話』(TBS系)や、今月公開予定の映画『Arc アーク』など出演作が続々公開される井之脇海も、本作では、ここまで舎弟が似合う存在はいない、と言いたくなるほどの“舎弟感”にあふれた黒塩を好演。クライマックスでは、意外に重要な“任務”をこなしているのも注目だ。

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