『ホーム・アローン』で大ブレイクしたマコーレー・カルキン、その後のギャラ上昇が半端なかった
クリスマスが近づくと観たくなる、ファミリー向けコメディ映画の決定版『ホーム・アローン』。本作でイタズラっ子の主人公ケビンを演じたマコーレー・カルキンは一躍ブレイクし、学校も行けぬほどの売れっ子になった。人気・知名度とともに爆上がりした彼だが、出演料の面でも格段にアップ。その上昇率が半端なかった。
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1990年に公開された『ホーム・アローン』は、クリスマス休暇に1人家に取り残されてしまったケビンが、泥棒を相手に大騒動を巻き起こすコメディ映画。30年以上経つ今でもなお、色褪せることなく人々に愛され続ける名作だ。
映画は、世界で実に4億7660万ドル(約545億円)以上の興行収入を獲得。アメリカでは実写コメディ映画として当時歴代1位に輝き、その記録は2011年に『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』に抜かれるまで破られなかった。4歳から子役として活躍していたマコーレーも、本作で世界的に大ブレイク。日本でも、“カルキン君”や“カルキン坊や”の名で愛された。
公開当時10歳だったマコーレーが本作で手にしたのは、10万ドル(約1100万円)と言われている。興行収入と見比べると決して高くはないかもしれない。しかしこの後のアップ率が半端なかったのだ。
『ホーム・アローン』の翌年に公開された『マイ・ガール』(1991)では、いきなり10倍の100万ドル(約1億1400万円)もの出演料をゲット。上昇率に換算すると900%にも及ぶからすさまじい。次の『ホーム・アローン2』(1992) では、さらに4.5倍まで跳ね上がり、450万ドル(約5億1500万円)も得た。
そして、彼のギャラの頂点となったのが1994年。同年公開の『リッチー・リッチ』と『ゲッティング・イーブン』では、子役として破格の800万ドル(約9億1500万円)の出演料を取得している。
しかし、栄光の裏には暗い影も。当時マネージャーを務めていた父親は、マコーレーが売れっ子になると強欲を発揮し、その傲慢な態度に業界内もドン引き。さらにマコーレーに対して暴力を振るうなど、ステージの裏では虐待を行っていた。両親は1995年に破局(2人は入籍はしていなかった)。長い裁判を経て親権は母親が持つことに決まり、資産の管理は会計士が行うよう取り決められた。マコーレーは自分が実際にいくら稼いでいたのか、18歳になるまで知らなかったそうだ。
その後紆余曲折を経て、今年マコーレーは、恋人で女優のブレンダ・ソングとの間に第1子となる息子が誕生し、父親になった。また、俳優としても本格復帰を果たし、公私ともに充実している。2021年現在の彼の資産は、推定1800万ドル(約20億円)に及ぶそう。
ちなみに、アメリカではクリスマスになると毎年必ずどこかで目にすると言われている『ホーム・アローン』だが、テレビ放送や配信、ソフトの販売に対して支払われるロイヤリティ(再放送出演料)は、契約になかったという。もらっていたら、彼の資産はもっとすごいことになっていただろう。(文・寺井多恵)