コント師・かが屋が語る“恐怖と笑いの共通点” 主演ホラードラマで光る演技力のルーツも
お笑いコンビ・かが屋が主演するホラーミステリードラマ『この動画は再生できません』(BS12にて毎週21時30分、テレビ神奈川にて毎週火曜24時ほか)。ホラーでありながら、ミステリー要素、そしてかが屋の自然すぎるやりとりから生まれる笑いが唯一無二の空気感を醸す本作は、シーズン1、2、さらに映画版、そしてこの度シーズン3が放送される人気シリーズとなった。今回はシーズン3でも主演を務めるかが屋に、恐怖と笑いの共通点や、その演技力が磨かれたルーツなどをたっぷり聞いた。
【写真】屋外撮影で雰囲気たっぷり かが屋、撮りおろしショット(15枚)
■恐怖と笑いは「すごく似てる」
前半はホラーパートとして視聴者投稿動画風のフェイクドキュメンタリー映像、後半は、編集マンの江尻(加賀翔)とオカルトライター鬼頭(賀屋壮也)が動画の裏にある秘密を解いていくドラマ仕立てで進行されていく本作。シーズン1のラストでは、実は鬼頭がすでに亡くなっており、幽霊だったことが判明。その死には未だ謎が残る。
――第1弾、第2弾、映画ときて、今回の第3弾。鬼頭・江尻という2人を長く演じられてきて、何か変化は感じますか?
賀屋壮也(以下「賀屋」):幽霊になって3年目なので、撮影していて影が出ていたらおかしいとか、そういうところに自分から気づけるようになりました。
加賀翔(以下「加賀」):賀屋は(幽霊役なので)もう変化ができないんですが、僕は割と変化してもいいので、髪型を変えています。1、2、映画、今回と全部髪型が違うんです。でも演じ方やキャラクターはほぼ変わっていないかな。
賀屋:やりやすい台本にしてもらっていますね。谷口(恒平)監督もお笑いが大好きだし、僕らが一番やりやすいようにしてくれている配慮を感じてとてもうれしいですね。愛が感じられるというか。
ドラマ『この動画は再生できません3』場面写真(C)2025「この動画は再生出来ません」製作委員会
――『この動画は再生できません』シリーズは怖い空気と笑いが隣り合っている作品です。“恐怖と笑い”の共通点のようなものを感じる部分はありますか?
加賀:すごく近いものではあるんです。お笑いは、振って振って落として笑いになる。“怖い”って、「何が起きるか不安……」からの「やっぱり!」っていう振り落ち。ポジティブな驚きかネガティブな驚きかという振り幅なんじゃないかと思うので、すごく作り方は似ていると思いますね。
――シーズン3は今まで以上に、全4話通じての伏線が多数ちりばめられている印象でした。こういった緻密(ちみつ)な構成はかが屋のコントにも通じる気がします。ネタはどのように生み出されているのでしょうか? 過去には、月に100本のネタを生み出しているとも語られていました。
加賀:今は、頑張って作るネタもあれば適当に作るものもあって。謙遜とかではなく、本当に適当に決めているものもあるんですよ。そのあたりが昔とは変わってきたなと思いますね。人が書いてくれた面白いものを演じる機会をいただけるようになって、すごく視野が広がったというか。一生懸命詰めて考えるのもありですけど、逆に、そうじゃないのも魅力があるなという方向に広がった感じはしています。
かが屋(左から)加賀翔、賀屋壮也
――自分たちで作ったものと、今作のように誰かが作ったものを演じるときには、どんな違いがあるのでしょうか?
賀屋:やっぱりできるだけ、書いた人が思い描いてくれたMAXをやりたいなと思いながらやってます。今回の場合は谷口監督が脚本も書かれていて、現場にもいらっしゃるので、都度「ここはこういう風にしたいんです」ということを言ってくださる。それでやってみて、「ちょっと違いますね」とかも普通に言われるんです(笑)。コントをやっている時と感覚は違うは違うけど、全然違和感はないです。
加賀:僕は、他の現場はわりと緊張したり、“そこにお邪魔している”とすごく思うんですが、『この動画は再生できません』の現場はほぼ普段と変わらない、コントの延長のようなお芝居でやらせてもらっています。ツッコんだりボケたりのテンションが非常に近い気はしますね。

