多部未華子「自分って古い人間なんだな」――価値観を揺さぶられた新発見

シリアスなテーマを扱い、張り詰めたシーンが続く。撮影前は「自分のキャラクター的にも、静かで重たい現場になるんだろうな」と覚悟していた。しかし、その予想は心地よく裏切られることになる。
「もう真逆でした。信じられないぐらい明るい現場で、ずっと楽しかった。特にムードメーカーだったのが、須藤理彩さん、石田ひかりさん、寺島しのぶさん。人生の先輩であるお姉様たちが、現場をとても盛り上げてくださいました。楽しい会話で場を和ませてくださる中でも、『これってこういうシーンなのよね』と作品についての話もするので、ハッと身が引き締まる瞬間もあって。大御所ってすごいんだなって思いながら過ごしていました(笑)」。
シェアハウスのシーンでは、待ち時間も皆で円になって座り、会話が途切れることはなかったという。そのほとんどが「言えないことしか話してない」と笑うほど、プライベートな話題だった。
「『40過ぎたらこうなるよ』とか、年を重ねることの恐怖を話したり(笑)。ひかりさんのお子さんが大学生になられたので、子育ての話を聞いたり。私が子どもを産んでから初めてお会いしたので、『子育てどう?』『時代が違うわよね』みたいな話をたくさんしました。あとは『どこのおかきが美味しい』とか、『明日持ってくるね』とか、本当に他愛もない話ばかり。たまに台本を読んで、みんなで作品について話す、みたいな感じでしたね」。

