SUPER BEAVER 渋谷龍太が語る“両親からの愛” 受け継いだ「生きるうえでのスタンス」とは
関連 :
彼が演じたサトウは、夜の街を牛耳る男。子どもを育てるためのお金が必要で、ドラッグの売人になることを決意した夏希は、彼と対面して危険な世界へと足を踏み入れていく。夏希の母としての想いを耳にしたサトウが、顔つきを変える場面も印象的だ。
渋谷は、プロファイリングしたサトウについて「おそらく母親に対してコンプレックスや執着があって、会話の中で“母親”というワードが入ってきた瞬間、無意識のうちに自分の中のトリガーが発動してしまう人。そして“喜怒哀楽”の、“怒”以外の感情が欠落してしまっている人」と分析した。
思考を巡らせて撮影の準備をする中では、今までにない緊張感も湧き上がってきたという。「僕は基本的に、音楽の現場でも絶対に緊張してしまうんです。ただ音楽の場合は、経験則から『こういうステージだろう、こういう運びになるだろう』と予想をつけることはできる。一方、俳優のお仕事に関しては自分の引き出しに入っているものが0ですから。撮影の前日はとても緊張しました」と苦笑い。
親交のある俳優、小栗旬からは「芝居に緊張感は持ち込まない方がいいよ」というアドバイスもあったそうだが、「やったことのない人間にそれは無理ですよね。その時も『そんなの無理だよ!』と話していて。でも現場にいつも立っている方の生の言葉をもらった上で挑むことができたことは、本当によかったなと思っていて、ありがたかったです」と感謝を込める。
撮影前日は特にドキドキしていたものの、いざ始まった撮影では、監督をはじめとするスタッフやキャスト陣のおかげで、「緊張がなくなった」と話す。
『ナイトフラワー』場面写真 (C)2025「ナイトフラワー」製作委員会
「当日は『うわ、本物の撮影現場だ』と思っているうちに、『渋谷くん、ここに座ってみる?』、『セリフを言ってみて』、『一度、カメラを回してみようか』、『じゃあ、次はこっちの角度から撮ってみよう』と監督の導く流れに乗っていて、『あれ、これ本番が始まっているのかな?』と気づく感じで。身構えることなく、本番を迎えることができました」。
「また、監督やキャストの皆さんが撮影の合間にすごく話しかけてくれて。いろいろと気を遣ってくださったり、フォローしてくださったおかげで、緊張が解けました。ものすごく恵まれていると思います」と感無量の面持ち。
『ナイトフラワー』場面写真 (C)2025「ナイトフラワー」製作委員会
撮影現場で北川や森田、そして森田演じる多摩恵に想いを寄せる海役の佐久間大介ら共演者の演技を目の当たりにすることで、大きく背中を押されたとも。「皆さんのお芝居は、本当にすごかったですね。ものすごいプロフェッショナルたちが、その場の空気を作ってくれるわけです。皆さんのお芝居やその切実な空気を身に受けると、緊張したり、照れたり、悩んだりしている場合じゃないなと」。
「自分で役について考えて演じたという以上に、皆さんが自分の中にある何かを引き出してくれたという感じがしています」と化学反応を肌で実感した様子だ。

