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『勇者刑に処す』阿座上洋平&飯塚麻結 歪な契約の先で変わっていく、勇者と《女神》の関係

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阿座上洋平

飯塚麻結

■何度でも味わってほしい、情報量と熱量に満ちた一作

――契約によって行動を共にすることになる二人ですが、どんな関係性だと感じていますか?

阿座上:ザイロからすると、最初はかなり“歪な関係”だと感じていると思います。《女神》殺しの罪を背負った自分と、自己犠牲を前提に動く《女神》。その存在そのものが、彼にとっては簡単に受け入れられるものではない。だからこそ、テオリッタに対しても、どこか距離を取って接している部分があるんじゃないかなと。

ただ、戦いを重ねる中で、少しずつ関係は変化していきます。相棒のようでもあり、ふとした日常の場面では、父と娘のように見える瞬間もある。もともと歪な関係だからこそ、そこからどう関係性を築いていくのかが、この二人の大きな見どころだと思います。

最初から完成された関係ではなく、時間をかけて“作られていく”もの。その過程こそが、ザイロにとっても重要なんじゃないかと感じています。

飯塚:テオリッタの側から見ると、最初はザイロの冷たく突き放すような態度に、戸惑う場面も多かったと思います。ただ、テオリッタ自身は契約した以上、一緒に戦うことに迷いはなくて、「タッグを組む」という意識は最初から持っている。

一方で、関係性としての信頼が、すぐに深まるかというと、そうではない。物語が進むにつれて共に戦う“チーム”にはなっていきますが、感情の距離感は、皆さんが想像するよりゆっくり縮まっていくのかなと思っています。

テオリッタは人間ではなく、あくまで《女神》という特殊な存在です。その立場から勇者や人類を見つめる視点は、最後まで失わない。その距離感を保ちながら、どう寄り添っていくのかを意識して演じていました。

テレビアニメ『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』場面カット(C)2024 ロケット商会/KADOKAWA/勇者刑に処す製作委員会
――シリアスな作品だからこそ、現場でのリラックスエピソードや意外な裏話があれば教えてください。

阿座上:最初は、皆さん物静かな方が多くて、収録現場の空気もかなり静かだったんです。座長として何かしたほうがいいのかな、と悩んだのですが、ザイロ自身が人を寄せつけないキャラクターなので、あまり場を回そうとする余裕もなくて。

収録が進むうちに「これ、全然会話していないな」と気づいて、このままで大丈夫かなと思ったこともありました。ただ、物語が進んで仲間が増えていくにつれて、現場の空気も少しずつ変わっていったんです。

特に大西沙織さん(フレンシィ・マスティボルト役)が、自然と会話を生み出してくださって。日笠陽子さん(ニーリィ役)も、セリフ以上にたくさんお話しして帰られるタイプで(笑)。そうやって、いろんな方がそれぞれの形で現場の空気を作っていくんだなと、改めて感じました。

飯塚:私は正直、収録中はあまり余裕がなくて、わちゃわちゃするタイプではなかったんです。休憩時間も、台本を見ながらそわそわしていることが多くて。

そんなときに、大西さんが「ここ座っていい?」と声をかけてくださって、そこからたくさんお話しさせていただきました。すごく自然に距離を縮めてくださる方で、その優しさに助けられました。

シリアスな作品だからこそ、そうした何気ないやり取りや空気作りが、本当に嬉しかったです。

(左から)阿座上洋平、飯塚麻結
――これから本作を観る視聴者に、注目してほしいポイントを含めメッセージをお願いします。

阿座上:まずは、やはりアクションやビジュアルの力を、感覚的に楽しんでほしいですね。情報量がとても多い作品なので、正直、一度観ただけでは受け取りきれない部分もあると思います。

1回目はとにかく、絵とアクションを全身で浴びるように観ていただいて、2回目以降は物語の流れやキャラクター同士の掛け合い、音作りやオープニングなど、少しずつ違うポイントに目を向けてもらえたら嬉しいです。

本当に何度も見返してもらうことで、少しずつ魅力に気づいていける作品だと思っています。スタッフロールが驚くほど長いのも、それだけ多くの人の力が詰まっている証なので、その一つひとつを感じてもらえたらと思います。

阿座上洋平
飯塚:PVなどを見ると、重厚で壮大なダークファンタジーという印象が強いと思うんですが、気負いすぎずに観ていただけたらなと思います。もちろん迫力あるアクションやシリアスな展開も大きな見どころですが、その中に、ふっと息を抜けるような日常のシーンや、少しコミカルな瞬間もあって。

「これは集中して観なきゃ」と構えすぎず、まずは一歩踏み出す気持ちで触れてもらえたら嬉しいです。

飯塚麻結
(取材・文・写真:吉野庫之介)

 テレビアニメ『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』は、1月3日よりTOKYO MX、関西テレビ、BS日テレほか全国28局で放送。

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