杉山紀彰・梅原裕一郎、TVアニメ最終クール『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』雨竜とハッシュヴァルトの最終決戦を語る “似た者同士”の二人に宿る自己犠牲の美学
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TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』で、石田雨竜とユーグラム・ハッシュヴァルトの最終決戦がついに決着を迎えた。敵として対峙した二人の戦いは、単なる“正義対悪”ではなく、それぞれが大切なもののために信じた道を貫こうとする、静かな覚悟のぶつかり合いでもあった。今回、石田雨竜役の杉山紀彰と、ユーグラム・ハッシュヴァルト役の梅原裕一郎にインタビューを実施。二人で向き合った最終決戦の収録、互いの芝居から感じた雨竜の“青さ”とハッシュヴァルトの“強者感”、そして敵味方を超えて浮かび上がる“自己犠牲の美学”について語ってもらった。
【写真】杉山紀彰(石田雨竜役)・梅原裕一郎(ユーグラム・ハッシュヴァルト役)撮り下ろしが満載!
■“静かな覚悟”で臨んだ雨竜とハッシュヴァルトの最終決戦
――二人の最終決戦の収録に臨むにあたって、特に意識されていたことを教えてください。
杉山:僕自身は、特別に緊張するような感覚はあまりありませんでした。というのも、雨竜の心境としては、もう“後がない”状態だったと思うんです。戦うしかない。やるべきことをやるしかない。星十字騎士団(シュテルンリッター)側に行った時点で、すでに覚悟は決まっていたのだと思います。
だから最終決戦だからといって、「戦ってやる」「勝ってやる」と気持ちを高ぶらせるというよりは、淡々と、自分が今やらなければならないことに向き合っている。そんな心持ちだったのではないかなと。そこにあったのは“静かな意気込み”というか、“静かな平常心”だったんだろうなと捉えて、収録に臨みました。
アニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』場面カット(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
梅原:ハッシュヴァルトも雨竜と同じく、最後の戦いだからといって、強く意気込んでいたかというと、きっとそうではなかったと思います。彼には、可能性としての未来が視えていた。それでもなお、最後まで陛下のために働く。その姿勢は、ハッシュヴァルトの中で揺らがなかったのだと思います。だからこそ、ある種の達観のようなものもあったのかなと感じています。
アフレコに臨む僕自身としては、杉山さんと二人で収録させていただけたことが、ものすごくありがたかったです。演出面でもかなり丁寧に時間をかけて収録していったのですが、それがすごく心地いいアフレコだったなという感覚があります。雨竜とハッシュヴァルトの最後のやり取りを、杉山さんと向き合いながら作れたことは、とても大きかったです。
アニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』場面カット(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
――最終決戦の収録では、相手の芝居を受けて生まれる感情や駆け引きも大きかったのではないかと思います。杉山さんから見た梅原さんのハッシュヴァルト、梅原さんから見た杉山さんの雨竜について、それぞれ印象的だった部分を教えてください。
杉山:やっぱり、梅ちゃん(梅原さん)が演じるハッシュヴァルトの存在感ですよね。有能さ、クールさ、ストイックさ。そして、その余裕を裏付ける“強者感”のようなものが、お芝居からすごく伝わってきました。
雨竜としては、そんな相手にどう向き合うのか。ハッシュヴァルト戦に限らず、雨竜はこれまでも、自分の持っている能力や戦い方の中で、どうすれば相手の弱点を見つけられるのか、どうすれば勝てるのかを考えてきたキャラクターだと思うんです。会話をしながら、戦いながら、少しずつ突破口を探っていく。
その中で印象的だったのが、ハッシュヴァルトの反応の変化でした。最初は平常心で淡々と語っている。でも、会話が進むにつれて、少しずつ感情の動きが見えてくる。映像でもそこは丁寧に描かれていますし、梅ちゃんもクールさの中にある感情の機微を、すごく繊細に出してくれていたんです。
だからこちらとしても、お芝居を返すときに「ここなんだな」「ここを突けば揺さぶれるのかもしれない」と感じられる瞬間がありました。雨竜として、少しニヤリとするような余裕を見せたり、その余裕が本当のものかどうかはわからないけれど、そう見せることでさらに相手を揺さぶったり。そうした駆け引きのお芝居ができたことが、すごく楽しかったですし、嬉しかったですね。
杉山紀彰
梅原:雨竜は、もちろん頭が切れる人物ですし、冷静な部分も持っているキャラクターです。でも、その奥にはものすごく熱いものがあるんですよね。その熱さというのは、友人に対する思いだったり、こちらが口にするのを少し恥ずかしく感じてしまうくらいのまっすぐさだったりする。雨竜には、そういう純粋さが確かにあるんだなと感じていました。
でも、その“青さ”をお芝居で出すというのは、本当にすごいことなんですよ。僕自身、年齢を重ねるにつれて、意識しなくても自然に出ていた青さのようなものが、だんだんなくなってきている感覚があって。だからこそ、どうやって芝居の中でその青さを出そうかと、今まさにもがいている部分があります。
アニメーションでは若い役を演じる機会も多いので、その難しさをより感じているのですが、杉山さんはそれを本当に自然に表現されている。隣で杉山さんの雨竜を聞いていて、「これは自分もできるようにならないといけない」と思うくらい、刺激を受けました。
その青さやまっすぐさを、無理なく、でも確かに雨竜の中に存在するものとして表現されている。そのお芝居を間近で感じられたことは、自分にとっても大きな収録でした。
梅原裕一郎
