R・レッドフォード、水上ロケにイライラ!? 過酷な撮影を吐露するも「最高だったよ」

3月14日公開の『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』で、77歳という高齢ながら全編水上ロケという過酷な撮影に挑み、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた名優ロバート・レッドフォードが、作品にかけた想いを語った。
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本作は、広大な海に一人取り残された男が、大自然の猛威と闘いながらも生きることを諦めない姿を描いたヒューマンドラマ。
死と直面する主人公を演じたロバートは、人生の中で死を覚悟したことは何度かあり、山や飛行中に嵐にも遭ったことがあるというが、劇中のような海での嵐は初体験。船乗り経験もほとんどなく、だからこそ、作品に必要な“緊張感”を持って撮影に臨めたという。
また、本作を気に入った理由の1つに、主人公が超人的キャラクターではない点を挙げ、「最近の映画はスーパーヒーローだらけ。ビジネスとしてはいいけど、僕はあまり関心がない」と近年の映画事情に対する自身の考えも明かした。
セリフのない映画としても注目を集めたが、無声映画に興味があったそうで「最高だったね」と喜び、「観客は台詞に妨害されることなしに、完全に映画の世界に入り込むことができるからね」と無声映画の魅力にも触れた。
とはいえ、やはり水上ロケはきつかったようで「この映画のあとでは喉が渇かなくなったよ(笑)」と苦笑。体を乾かす時間がなかったことによるストレスが大きく、「常に濡れていてイライラした。服も水を含んで重くなるから気分まで重くなる。決して楽しい状況ではなかったよ」と過酷な現場を振り返る。
最後に今後の目標を尋ねると、「このまま続けていきたい。目標を持ったところで思い通りにはいかない」と見識者らしい答え。「この映画は昔出演した『大いなる勇者』と共通点があるんだ。どちらも主人公の希望が失われ、これ以上生きるのは不可能だと感じる。こうなると多くの人は諦めるが、努力を続ける人もいる。その理由は、それしかやることが残されていないからだ。ここに僕は強く惹かれる。旅の途中で続けることに意味が見出せなくなっても僕は続けるよ」。主人公同様、確固たる信念を持って歩み続けるロバート。その生き様が垣間見える本作を是非堪能してほしい。
『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』は、3月14日より全国公開。本作の公開を記念して、ロバート・レッドフォード関連作品のポスター展開催も決定。3月14日(金)~3月27日(木)、場所はTOHOシネマズシャンテにて。