広末涼子、避けてきた悪女役に挑戦 引き受けた理由に「プライベートの変化」
シリアスな物語に対して苦手意識を持っていたのには「演じる時間以外も役の事を考えてしまって、重たい気持ちになるから」という理由もあった。しかしプライベートの変化が不安を払拭する一助にもなってくれた。「スイッチのオン・オフが出来るようになった。家に帰って芝居や役について考えることがなくなったというのは、いい意味での集中力に繋がっている」と若かりし頃とは違う環境がプラスに転じている。
「好きなことを仕事にしていると、仕事が生活の全てになりがち。仕事が上手くいかないと自分の存在価値などないものだと感じて、人生の全部が真っ暗闇だと思ってしまうこともありました。でも今はそれだけじゃない自分の居場所が出来たことで、肩の力が抜けた部分もある」と人間としての充実が女優業にも上手く還元。悪女でありながら、どこか共感を抱かざるを得ないような“グレーゾーン・キャラ”としての基子を、リアルに成立させることが出来た理由はそこにあった。
1994年に訪れたデビューの足掛かりから今年で20年。現在34歳。「30代になってから役柄の幅が広がったと思えるし、今回のような悪女役のように新たなチャンスをいただいて、自分自身、日々の成長を実感している」と女優業がますます楽しくなる一方のようで「絶対に飽きることがないですし、終わりがない、満足することがない仕事。今の時点でそうなら、これから迎える40代50代は未知の世界なので、余計に楽しみですね」と持ち前の笑顔を弾けさせた。
NHK総合連続ドラマ10『聖女』は、8月19日(火)22時より放送開始(連続7回)。