MIYAVI、アンジー監督作の出演「リスク考えた」 米兵に拷問する役を演じたワケ
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そんなMIYAVIの想いは、作品の中からもにじみ出てくる。「戦争からは何も生まれない」というメッセージは、ダークサイドとして描かれているワタナベの立ち振る舞いからも感じ取ることができる。それはMIYAVIの表現力から来ているのだろう。「音楽を作る時、いつも出口をイメージします。その出口は悲しいものじゃない。どこかに希望や未来を見ている。映画もそうだなって思いました。今回初めて誰かを演じるということをさせてもらいましたが、音楽にフィードバックできる表現や感情を学ぶことができました」。
女優としてばかりではなくUNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)の特使として世界中で強い存在感を示しているアンジェリーナだが「スターであり、とても強い女性。色々な場所に足を運び、次の世代の子供たちに少しでも良い世界を作ろうというミッションを持っている。アーティストとしてリスペクトしているし、人としてもとても大きい」とMIYAVIは絶賛する。
「この映画に対して日本国内では否定的な意見もあったと聞いています」と語ったMIYAVI。「でも海外でこの映画を観て『日本は酷い』という意見は一切耳には入ってきませんでした。それはある種戦後、日本がしてきたことを各国の人が評価してくれているからだと思うんですね。ルイも『日本が好き』と言ってくれてたし」。本作を観ることにより、色々な議論が交わされることを望んでいるとMIYAVIは語る。インタビュー中、何度もMIYAVIの口から出た「決して繰り返さないために──」という言葉が、本作に込められた強いメッセージなのだろう。(取材・文・写真:磯部正和)
映画『不屈の男 アンブロークン』は2月6日より渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。