MIYAVI、アンジー監督作の出演「リスク考えた」 米兵に拷問する役を演じたワケ

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日本での公開が危ぶまれていた映画『不屈の男 アンブロークン』がいよいよ初日を迎えた。第2次大戦中に日本軍の捕虜になったオリンピック選手ルイス・ザンペリーニの体験を描いたノンフィクションを、女優のアンジェリーナ・ジョリーが製作・監督を務め映画化した。本作で、ザンペリーニに執拗な虐待を与えたワタナベ伍長を演じたミュージシャンのMIYAVIに、映画出演の経緯や作品に込めた想いを語ってもらった。
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ワールドワイドな活躍をみせるミュージシャンであるMIYAVI。そんな彼が、初めて俳優という仕事に挑んだ。しかも捕虜になったアメリカ兵に非人道的な拷問を与える伍長という役柄だ。「原作の内容を含め、自分の生まれた国のネガティブなサイドを演じることへの抵抗はありましたし、音楽家としての活動の中でのリスクも考えた」とオファーが来たときは「受けるつもりはなかった」という胸の内を明かす。
しかし、アンジェリーナの熱い想いによりMIYAVIの気持ちは変わっていく。「彼女はこの映画を通じて純粋に、人を守るために生き抜くという強さ、そして“赦す”ことにたどりついた人間の強さをメッセージにとして伝えたいというミッションを持っていた。そのことに感銘を受け『出てみよう』と思ったんです」。
MIYAVI演じるワタナベは、劇中、目を覆いたくなるような拷問を次々と捕虜たちに課していく。「彼を演じる際、アンジーからは『一辺倒な悪ではなく、戦争という極限状態のなか、人間の弱さや脆さ、葛藤によって引き起こされた精神面での揺らぎを演じて欲しい』と言われたんです」と役へのアプローチ方法を語るが、一方で「一人の人間の弱さを表現したとしても、決して正当化や肯定はしてはいけない。さらに『戦争は絶対的に否定しなくてはいけない』という思いは強かった」と語気を強める。