神木隆之介、『3月のライオン』キャスト発表時を振り返る「みなさんの声が励みに」

しばしば賛否両論が巻き起こるコミック原作ものにおいて、原作ファンからも、キャスティングに太鼓判を押された映画『3月のライオン』。[後編]ブルーレイ&DVDの発売にあわせて、主演の神木隆之介に単独インタビューを実施。“完璧なキャスティング”とまで言われたプレッシャーのなかで、17歳のプロ棋士・桐山零を演じきった神木に本作への思いを改めて語ってもらった。
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「映画化の話が出るずっと前から、友だちに『零に似てるね!』と言われていたんです」と少し照れながら話し始めた神木。「それで、友だちに(零のトレードマークの)長いダッフルコートを着させられて、メガネをかけて、写真を撮ったりしていました。まさか、本当に零として着られるなんて、あの時は思っていませんでした」。
自身も原作の大ファンだった神木にとって、オファーは嬉しいものだった。キャスティングが世の中に発表された時の“歓迎の声”も、プレッシャーではなく純粋にパワーになったと言う。「コミック原作の実写化で“合っている”と言ってもらえることって、そうそうないので、本当にありがたかったです。発表になったときは撮影中だったのですが、みなさんの声はやっぱり大事です。僕もコミックやアニメが好きで、実写化される時に原作ファンとして、声を出す側になったりもするので(笑)。両方の気持ちが分かります。他のキャストの方も含め、“合っている”と言ってもらえたことは、作品に期待できると言ってもらえているのと一緒だし、励みになりました。さらに頑張らなくてはと思いました」。
容姿だけでなく、中学生でプロ棋士としてデビューした零と、子役から活動を続ける神木の境遇が似ているとの声も聞かれた。「僕自身は全く意識してなかったんです。でも、打合せのときに、大友(啓史)監督から『似てるよね』と、さらっと言われて。そのときに、そうか、そう見えるんだと気づきました。確かに僕は子役のとき、親から『歳なんて関係のない世界だから。ひとりのプロとして立ちなさい』と言われてきたし、そうしてきました」と述懐する。「零もそうですけど、現実の将棋の世界でも、それこそ、藤井(聡太)四段は加藤(一二三)九段と戦ったわけですし。しかも、加藤九段はすべてをかけて倒そうとしてくるので世界は違いますが、お互いプロとして向かい合うという環境は、言われてみて『なるほど!』と思いました」。