二階堂ふみ、沖縄奄美ロケで「おばあちゃんに拝まれました」
愛加那は吉之助と結婚し子どもをもうけるが、「自分が身ごもった子どもは、遠く離れていってしまうであろう西郷さんの、自分では直接感じることができない温もりを唯一感じられる存在だったと思います。自分の命に代えてでも守りたい存在だったと思いますし、それと同時に西郷さんがそこにいたという証、遠くにいるけど繋がれている、そういう大事な存在だったと思います」という。
そんな二階堂の芝居を鈴木は「感受性の塊。それだけでなく冷静で、自分の芝居を客観的に見られる」と絶賛。二階堂は、劇中で島唄を歌うシーンについて「島唄は歌うと気持ちが高まるような曲が多くて、時に自分の悲しい気持ちを伝えることもあるし、鼓舞することもある。その時の心の状態が丸裸になるような感覚がありました。別れのなかで、自分の気持ちをどうやって表していいのかわからないところを島唄だったら一番伝わるんじゃないかと思いました」と振り返る。
撮影は奄美大島と沖永良部島で行われたが、「奄美の方はシャイな方が多い印象だったのですが、撮影をおばあちゃん二人がスクーターで見に来られていて、『あなたが愛加那さん?』と言われて拝まれました(笑)。そのおばあちゃんの家へ何度か遊びに伺って、ご飯を頂いたりしました」と明かす。そのほか行きつけの店もでき、「皆さん私のことを知らないからすごく楽で、仲良くなってデュエットしたり(笑)」と笑う。
今回の役は、「自分の人生の中でものすごく大事なものになりました。いろんなことに気づかされた作品です。“愛とはなんだ”ということを奄美で考えたり…」と微笑む二階堂。彼女にとって新しい転機となる作品になったのかもしれない。(取材・文=田中裕幸)
NHK大河ドラマ『西郷どん』は、NHK総合にて毎週日曜20時放送。