梶裕貴、『曇天に笑う』空丸役は“自分に近い” 真摯に向き合う声優業

劇場版3部作として描いてきた『曇天に笑う〈外伝〉』シリーズが、ついに最終章を迎えた。動乱期の明治時代を生きる曇三兄弟の長男・天火の秘めたる過去を描いた前篇、天火の親友である金城白子が背負う思いを綴った中篇に続き、後篇『~桜華、天望の架橋~』では曇三兄弟の次男・空丸と三男・宙太郎の戦いと成長を描く。TVシリーズに続き、空丸を演じた梶裕貴が、作品に対する思いや役への思い、そして“声優”という職業に対する信念について語った。
【写真】『曇天に笑う ~桜華、天望の架橋~』梶裕貴インタビューフォト
本作は、明治の動乱期を舞台に宿命の戦いに挑む若者たちの葛藤や絆を描いた同名コミックの劇場アニメ第3弾。TVシリーズを経て、劇場版第1作となる前篇『~決別、犲の誓い~』、中篇『~宿命、双頭の風魔~』に続き、このたび最終章となる後篇『~桜華、天望の架橋~』が上映となった。
「原作を読んだときから演じてみたいと思っていたエピソードでした」と、同作について口にした梶。2014年放送のTVシリーズから少し時間を置き、劇場版の話を聞いたという梶は「素直に、再び曇天の世界をアニメで観られることが嬉しいと思いました。空丸を演じさせていただけることが楽しみでした」と言い、嬉々とした気持ちを隠さなかった。
また、梶曰く“ファンタジー要素もあるが、人としてのあり方を丁寧に、繊細に描いている”のが『曇天に笑う』シリーズの魅力だと明かす。「物語の中に、様々な関係性といいますか、人間同士のコミュニティを描いていて、兄弟はもちろん、家族、友達、仲間、恋人…と、それらの関係が幸せなだけでなく、重かったり、歪んでいたり、醜かったりすることも、生々しくリアルに伝わってくる。演じていても、観ていても感情移入できる要素だと思うので、そこが僕自身、本作の魅力であり好きなところです」。
一方、空丸というキャラクターについては自身の「人間性と近い」と語る。客観的にみて、読者や視聴者も感じるであろう空丸の歯がゆさや不甲斐なさを経て、「こうしたかった・こうしてあげたかったのにできなかった…だから次はこうしてみせようという考え方が、自分と似ている部分なのかな、と。人間性が近いキャラクターなのかなと思っています」。