『最愛』高橋文哉、難役チャレンジに醍醐味「葛藤から解放された新たな優を届けたい」
◆“梨央”吉高由里子との対面シーンに感じた醍醐味
4話のラストでは梨央の前に登場し、梨央が重要参考人として疑われる康介の父・昭(酒向芳)殺害に自分が関わっていると告白した優。高橋は同シーンを「優としても、役者・高橋文哉としてもすごくドキドキしました。物語の中で1本軸となるような大事なセリフを言う緊張感をはじめ、優の覚悟や罪悪感、9年ぶりに姉ちゃんと会えたうれしさなど、いろんな感情がこみ上がってくる瞬間でしたね」と打ち明ける。
金曜ドラマ『最愛』に出演する高橋文哉 (C)TBS
4話までは、生田誠という謎の人物として登場してきたが、「優だとばれないように気を付けながらも、姉ちゃんを守る際のハッキングで姉ちゃんを見る時に表情が緩む瞬間を入れるなど、ちょっとした優の様相を入れていました」と演じる上で気を付けていたことを告白。そういった塩梅を含め、優を演じるにあたり塚原監督とは密に話をしたそうで、「姉ちゃんと再会し告白するシーンは、優がどんな気持ちでここまで歩んできて、どんな気持ちでこの場で姉ちゃんと話すのか、優の気持ちをすごく練りました。優はいろんな感情が混在している役。その中で何を大切にすべきかは、塚原監督と毎カット考えながら演じました」と説明。
また、「新井さんと塚原監督からシーン終わりに『よかったよ』と言ってもらえると、次のシーンももっと頑張ろうと思えて。優として大切に丁寧に全力で演じているのですごく救われています」と笑顔を見せる。
◆葛藤から解放された“新たな優”を届けたい
共演者は先輩役者ばかりということもあり「現場はすごく緊張します」とこぼしつつも、「和気あいあいとした現場」とほほ笑む高橋。姉役の吉高について聞くと「姉ちゃんと再会してから、吉高さんとご一緒する機会が増えて。吉高さんが梨央であり続けてくださるので、優の感情を素直に出せました。カメラが回っていない時はすごく楽しい雰囲気を作ってくださり、そのおかげで変に緊張せずに現場にいれます」と感謝する。
金曜ドラマ『最愛』に出演する高橋文哉 (C)TBS
物語のキーパーソンとなる優を演じることは役者としてもいい影響をもらっているそうで、「すごく勉強になりますし、家に帰った時に『はぁ~、楽しかった』となる現場です」と充実した表情。また周囲の反響も大きいと口にし、「高校の友達や家族をはじめ、みんなが『すごく面白い』と言ってくれていて。優だと判明する前は、みんなに『優でしょ?』と言われていて、『ぜひ見てね』と返していました」といたずらな表情で笑う。
視聴者がストーリーの考察を楽しめるのが、オリジナルサスペンスドラマの醍醐味。高橋自身も「こういう作品は最後や途中でどんでん返しがあるものが多く、それがすごく好きで。今まで信じてきたものが一瞬で裏切られる面白さを感じられるのは、長い期間楽しめる連ドラならでは。この作品で自分がそのきっかけになればいいなと思います」とニヤリ。
金曜ドラマ『最愛』に出演する高橋文哉 (C)TBS
「5話は折り返し地点で、ここからどのように物語が進んで、どういう人物たちが絡みあっていくのかが見どころだったと思います。僕はまだ7話までしか台本を読めていなくて、優の犯した罪がそこからどんな方向に、転がっていくかは知らなくて。5話のラストで優は捕まってしまいましたが、今まで姉ちゃんを守らないといけないという気持ちや自分のやったことへの罪悪感など、優の葛藤が一旦解放されて、6、7話から優の人間性が見えてくるので、新たな優を届けたいですね。優がどのように生きていくのか、後半もっとスピードアップしていく物語の先を楽しみにしてもらえたら幸いです」とアピールした高橋。
これからも怒涛の展開が続くであろう本作で、高橋が優をどう体現していくのか見届けたい。(取材・文:高山美穂)
金曜ドラマ『最愛』は、TBS系にて毎週金曜22時放送。