祇園の姉妹〈1936年〉

【解説/みどころ】
日本を代表する映画作家・溝口健二監督の代表作である。京都の芸者の姉妹を主人公として、人情に厚い姉と打算的で気の強い妹という二人の対照的な生き方を描きながら、どちらも男にもてあそばれてみじめに捨てられていくという女の現実を、きびしい目で捉えた作品。芸者姉妹を演じた梅村蓉子と山田五十鈴も見事にその対照を演じ分け、非情な世界に生きる女性の哀感や怒りを充分に表現しつくした。全体的なテンポは男たちとのやりとりなどユーモラスな面もあり軽い感じも与えるが、克明な京都の風物描写もあいまってずっしりと観ごたえのある一編。依田義賢の脚本も冴え、まさに溝口芸術の一級品である。
あわせて読みたい
最新ニュース
おすすめフォト
おすすめ動画 >
-
X
-
Instagram