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刺青

【解説/みどころ】
女の情念と、その妖しい美しさを生涯通して描き続けた大映出身の鬼才・増村保造の美学のまさに頂点ともいうべき作品。谷崎潤一郎の有名な処女短編小説『刺青』を原作として新藤兼人がシナリオ化した。主演の若尾文子は、増村保造とは何本もコンビを組み、増村描く女性像になくてはならない存在となった。物語は手代と駆け落ちした質屋の娘が、悪人のたくらみにかかり芸者として売られる。刺青師に白い肌一面に巨大な女郎グモを彫られた娘は、男と女の欲望のうごめく世界に本能のうごめくまま生きていく……。冒頭、山本学が演じる刺青師が、薬で眠らせた若尾文子の肌に、丹念に女郎グモを彫り込んでいくシーンの妖気ただよう美しさは見事。そしてラスト、若尾文子の肌に彫られたクモが、娘の体に絡み付き、まるで呼吸でもするかのように血の中でうごめくシーンのあざやかな地獄絵は日本映画史上忘れられない名場面であろう。また、随所に増村保造独特の色彩感覚があふれ、オレンジ・赤・青などの原色を使った画面は“大映調”の真骨頂といえる。


キャスト
若尾文子長谷川明男山本学佐藤慶須賀不二男内田朝雄藤原礼子
スタッフ
監督: 増村保造 脚本: 新藤兼人 原作: 谷崎潤一郎
上映時間・制作年
86分/1966年
制作国
日本
配給
大映=大映京都


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