ビリー・アイリッシュが“レッサーパンダルック”で登場 『私ときどきレッサーパンダ』プレミア
<登壇者コメント全文>
■ドミー・シー(監督・脚本)
――本作に影響を与えた日本のアニメについて
私が主に影響を受けているのは、1990年代から2000年代初頭にかけてのアニメです。『美少女戦士セーラームーン』は、我々にとって特に大きな影響を与えてくれました。映画の全体的なスタイルにおいても、例えば本作でのパステル色を使った色調や、女友達同士の友情などに、それは見て取れるかと思います。『らんま 1/2』や『フルーツバスケット』なども、メイが人間からレッサーパンダへ、またレッサーパンダから人間へと、突如ポン!と変身するシーンにおいて、アニメの持つ遊び心という点で、大きなインスピレーションを与えてくれています。
――日本のファンへのメッセージ
生きていくことって難しい、ということも受け止めてもらいたいです。“成長して大人になる”ということは、予測できないことの連続ですからね。
――日本の好きなアニメは?
スタジオジブリの、宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』です!
――ビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルのオリジナルソングについて
私は長い間、二人の作る音楽の大ファンでした。それで、ノーとは彼らが言えないような(笑)、風変わりな依頼をさせてもらったんです。普通こういう場合、映画製作サイドのほうから音楽家に、“何か曲を書くのを検討してもらえませんか?”と接触するものですが、我々の提案は、一緒に「ボーイズ・グループ」をひとつ作り上げませんか?というものだったんです。
■リンジー・コリンズ(プロデューサー)
“完璧になる”ことは出来ないということ、そして、あなただけがそのようなことで悩み苦しんでいるわけじゃないんだよ、というのを忘れないで欲しいです。人は誰しも、そんな過程があるし、それが成長して大人になる、ということの一部なのだと思うんです。
本作は面白くてドキドキもするし、主人公のメイの中に、皆さんが自分自身を見出すことができると思います。また、母親である方々が見たら(メイの母親)ミンの方に、自分と似たものを見出すはず。そして、13歳や14歳の頃は自分もそうだったなぁ…と必ず感じる瞬間がある映画だと思います。
■ピート・ドクター(ディズニー&ピクサー チーフ・クリエイティブ・オフィサー)
ドミー監督は、私が『インサイド・ヘッド』を監督した時に一緒に働いていたので、彼女の脳内が、すごく不思議で独特で、いかに素晴らしいかを目の当たりにしていて、よく知っています。本作は、まさにそんな彼女独特の才能が反映されていて、同時に誰にでも訴えかける普遍的な映画にもなっています。ピクサー映画ながら、そこにひとつ捻りが利いているんですよ。
■ジム・モリス(ディズニー&ピクサー 社長)
私の心を本作が鷲掴みにした点は、どんな子供も経験するような、これまでとは違って自分の親とも異なる存在になって独立した存在にならなければならない時期を、説得力ある形で描いているところです。親のことは愛していて尊敬しているけれど、もう親とは違う人間にならなければならない、あの難しい時期をね。ドミー監督はそんな物語を生み出すうえで、本当に素晴らしい仕事をしてくれました。
本作は、我々ピクサーの映画としては、スタイル面ではいつもと少し異なるところもありますが、それは監督としてのドミーの資質が反映されているものであり、見ていて楽しいものだと思います。その一方で、ちゃんとピクサーの映画でもあるのですが、そうでありながらドミーらしい、他にはない独特さがしっかり刻まれている映画になっていますよ。