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マイク・ミルズ監督作『カモン カモン』新写真解禁 『都会のアリス』など名作からインスパイア

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映画『カモン カモン』場面写真(ロサンゼルス)
映画『カモン カモン』場面写真(ロサンゼルス)(C)2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.

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 オスカー俳優ホアキン・フェニックスが主演し、マイク・ミルズが監督と脚本を務めたA24製作の映画『カモン カモン』より、モノクロームの映像美が印象的な新場面写真が解禁。併せて、ミルズ監督がモノクロへのこだわりなどを語るコメントも到着した。

【写真】ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの景観をモノクロで切り取った『カモン カモン』新場面写真

 本作は、ニューヨークを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン)が、9歳の甥ジェシー(ウッディ・ノーマン)との突然始まった共同生活を通して、戸惑いながらも新たな絆を見出していく姿を描く感動のヒューマンドラマ。監督・脚本は、『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』を手掛けたマイク・ミルズ。ミルズ監督にとって初となる全編モノクロの長編作で、どこを切り取っても絵になる美しいモノクローム映像も印象的な作品となっている。

 ミルズ監督は、本作の映像をモノクロにした理由について「この映画の物語は、すごくありきたりのことだと思うんだよね。子供をお風呂に入れて、一緒に寝て、ご飯食べるというものだからね。だけど白黒にすることで、その日常風景から切り離されて、これは“物語”なんだということをまず提示できると思った」とコメント。

 続けて「子供と大人がある場所を歩いていくというイメージが僕の頭の中に浮かんだんだけど、それが神話的かつ、寓話的で、ほとんどクリストファー・ロビンとくまのプーさん的な絵のような映像や、『キッド』(1921)でのチャーリー・チャップリンと子供みたいな感じだった。さらにイソップ物語的なイメージが浮かんだんだ」と振り返り、「日常から切り離して、“物語”の中へ導くための手段でもあったんだ」と説明する。

 もともと白黒映画が好きで、モノクロでも生き生きとした表現が可能だと考えていたミルズ監督。自身がインスパイアを受けたモノクロ映画として、ヴィム・ヴェンダース監督作『都会のアリス』(1974)を筆頭に、フランソワ・トリュフォー監督作『ピアニストを撃て』(1959)、ミロス・フォアマン監督作『ブロンドの恋』(1965)、ピーター・ボグダノヴィッチ監督作『ペーパー・ムーン』(1973)、エルマンノ・オルミ監督作『婚約者たち』(1963)などを挙げている。

 本作で撮影を手掛けたのは、『わたしは、ダニエル・ブレイク』などの名匠ケン・ローチ監督作の常連で、ヨルゴス・ランティモス監督作『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたロビー・ライアン。様式化された芸術的な映画からリアリズムを追及した作品まであらゆるジャンルを担う、まさに“職人”ともいえる撮影監督だ。「主に自然光を使って、臨場感を出すことを考えていた」というミルズ監督は、「ロビーはその点で非常に優れている。また、強引にならないように美しく見せる方法についても極めて鋭いセンスを持っている」とライアンの手腕を絶賛している。

 デトロイトからロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズへと旅をするロードムービーの側面も持つ本作。ミルズ監督は、「東、西、北、南の各都市が入っているのが気に入った」と語り、ライアンは「モノクロにすることで、さまざまな場所に統一感を持たせることができた。これは、旅全体をひとつにつなぐ感覚だ」「この世界をモノクロで包み込むわけだけど、人間関係や感情よりも映像が勝ってしまわないように、バランスをとることが重要だった」と明かしている。

 場面写真は、主人公ジョニーと甥ジェシーが並んで歩く姿のほか、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの景観が切り取られたもの。ミルズ監督とライアンが作り上げた、美しいモノクロームの映像詩を劇場で堪能したい。

 映画『カモン カモン』は4月22日より全国公開。

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