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役所広司主演『峠 最後のサムライ』、“戦わないために対話を諦めない”――本編映像初解禁

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映画『峠 最後のサムライ』場面写真
映画『峠 最後のサムライ』場面写真(C)2020「峠 最後のサムライ」製作委員会

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 俳優の役所広司が主演する映画『峠 最後のサムライ』より、戦争を避けようとする主人公・河井継之助の強い意志がにじみ出る小千谷会談のシーンを捉えた本編映像が解禁された。

【動画】“最後のサムライ”の運命が大きく動く――『峠 最後のサムライ』小千谷怪談の本編映像

 司馬遼太郎の国民的ベストセラー『峠』を初めて映像化した本作は、動乱の時代を生きた“幕末の風雲児”河井継之助の最後の1年を描く。監督・脚本は小泉堯史。主人公・河井継之助を役所が演じる。

 一介の藩士でありながら、諸国への遊学を経て培った先見性とグローバルな視野をもとに、領民のための斬新な藩政改革を次々に実行していた継之助。しかし、時流は倒幕へと傾き、サムライとしての使命と庶民を先導するリーダーとしてのはざまで葛藤しながらも、継之助はやがて強大な武力を誇る明治新政府軍に立ち向かっていく。

 解禁された本編映像では、民衆の生活を守るため武力での戦いを避け、対話での解決を目指した長岡藩の家老・河井継之助(役所)が、土佐藩の軍監・岩村精一郎(吉岡秀隆)に和平を願った嘆願書を受け取るよう粘り強く願い出る場面が切り取られ、継之助の「戦わないために対話を諦めない」という強い意志が伝わる。

 徳川慶喜が大政奉還した後、世の流れは薩摩・長州が明治新政府を樹立し、一気に倒幕へと進む。新政府に恭順して倒幕派につくか、それとも旧幕府派(佐幕派)につくか。決断が迫られ、日本が二分されていく中、河井継之助は武装中立の姿勢を貫こうとした。

 継之助の藩政改革も半ばの慶応4(1868)年4月、戊辰戦争が始まる。江戸城をはじめ、関東一帯を占領した新政府軍は、その矛先を東北へ向け、諸藩に対し会津藩討伐のための出兵と献金を求めるが、その一方的なやり方に納得いかない東北・北越諸藩はその要求をはね付け「奥羽越列藩同盟」を結成し対抗する。両軍の間に挟まれた継之助率いる長岡藩は、新政府軍にも同盟軍にも属さない武装中立を表明。しかし、会津への出兵に応じず献金も収めない長岡藩を新政府軍は敵と見なし、榎峠を越えて小千谷まで兵を進める。

 継之助は何としても開戦を避けたいと、新政府軍が本営を敷く小千谷の慈眼寺へと直談判に向かう。面会した新政府軍の軍監は、土佐藩出身の岩村精一郎。24歳の若者であり、継之助との年の差は18歳も離れている。継之助が「双方にとって戦いは避けなければなりません」と静かだが鬼気迫る様子で訴え、嘆願書を大総督府に取り次ぐよう願い出るも、岩村は「問答は無用である」と退ける。声を荒らげ敵意をむき出しにする岩村に対し、「お怒りはごもっともでござる」となおも食い下がる継之助。しかし、血気盛んな岩村は武力衝突での解決しか頭になく、「あとは砲弾の中で、相見えるだけのこと!」と継之助の言葉を聴こうとしなかった。

 小千谷会談は決裂し、継之助の非戦中立の夢も破れる。もはや戦は避けられず、長岡藩は同盟軍にくみし、新政府軍との戦いへ突入。小千谷会談の決裂は、戊辰戦争最大の激戦地となった北越戦争の始まりとして、さらには継之助の強い意志が発露するシーンとして劇中でも印象的に描かれている。

 映画『峠 最後のサムライ』は、6月17日より全国公開。

映画『峠 最後のサムライ』本編映像

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