「このマンガがすごい!」史上初2作連続1位 岩本ナオ『金の国 水の国』初アニメ映画化決定
「このマンガがすごい!」史上初の2作連続1位を獲得した岩本ナオによる漫画『金の国 水の国』が、初めてアニメーション映画化され、2023年春に全国公開されることが決定。併せてティザービジュアルが解禁された。
【写真】『金の国 水の国』「このマンガがすごい!」で1位(オンナ編)を獲得した原作書影
原作漫画は、ある時代のどこかにある隣り合う仲の悪い2つの国を舞台に、A国の姫サーラとB国の青年ナランバヤルが偶然出会い、国の未来のために“夫婦役”を演じているうちに恋に落ち…という物語。発行部数は単巻コミックスながら40万部を突破。岩本は同作で2017年、続いて『マロニエ王国の七人の騎士』で2018年に「このマンガがすごい!」で1位(オンナ編)を獲得した。
映像化のために集まったのはベテランから急成長の若手注目株までのクリエイター陣。監督は渡邉こと乃。『ちはやふる』『俺物語!!』で頭角を現し、アニメファンの心をつかみ、若手ならではのみずみずしい感性と勢いで作品をけん引する。脚本は『HUGっと!プリキュア』のシリーズ構成を手掛け、ドラマ『コウノドリ』『マッサン』を担当した坪田文。アニメーション制作は、『サマーウォーズ』や『ちはやふる』などで知られるマッドハウス。ハリウッドにも多くのファンを持つ川尻善昭をはじめ、浅香守生、増原光幸などマッドハウスのスタークリエイターが監督・渡邉のもとに集まった。
初めての映像化を聞いた岩本はうれしさを爆発させ、監督やキャラクターデザイナーとの打ち合わせにも協力的な姿勢で参加。アフレコで動く自身のキャラクターを初めて目の当たりにして、アニメーターの力量に感心しきりで、本解禁に際して「自分が紙の上に描いた人物たちがスクリーンの中で動いたり喋ったりしている姿を見れるのを楽しみにしてます」とのコメントを寄せた。
ティザービジュアルに描かれた、幻想的な月夜、橋の上で出会う男女のキャラクターは、主人公ナランバヤルとサーラ。ナランバヤルがサーラを呼び止めようと何か言葉を発しているのだろうか、サーラはハッとしたように振り返らんとしている瞬間が捉えられ、ここから何かが始まりそうな予感をたっぷり含んだビジュアルとなっている。
原作の印象的なシーンからインスピレーションを受けて描き起こされたこのビジュアルを見た岩本は「このシーンにカラーを付けたことはなかったのですが、きれいな色使いがすごく神秘的で物語の世界観がよく表れていると思いました。ナランバヤルとサーラの動きと表情にも、何かが始まりそうな躍動感があり、映画の完成が一層楽しみになりました」と感動の声を寄せた。
ナランバヤルは猫を肩に乗せ、サーラは犬を大事そうに抱き抱えている。この動物たちは物語にどう絡んでいくのか、この橋の上でナランバヤルはサーラに何と言葉をかけているのか、このあとの展開を想像する楽しみを感じさせる。
アニメ映画『金の国 水の国』は、2023年春全国公開。