シリーズ最新作『プレデター:ザ・プレイ』リアルを追求した“3つの演出”
現在配信中の映画『プレデター:ザ・プレイ』で監督を務めるダン・トラクテンバーグら制作&キャスト陣が、〈自然光のみを使った映像〉〈ネイティブ・アメリカンへの細かなヒアリング〉〈最新CG技術と特殊スーツから生まれた新プレデター〉という、リアルを追求した“3つの演出”を明かした。
【写真】『プレデター:ザ・プレイ』撮影時の写真
高度な科学技術を駆使した武器を持つ宇宙で最も危険な戦士プレデターと人類の攻防を描き、1987年公開の第1作からクロスオーバー作品も含め全6作品、世界中でカルト的人気を誇る伝説的シリーズ「プレデター」。本作はその最新作となる。
■コダワリの演出その1:雄大な自然の中での撮影
本作は、300年前のアメリカを舞台としているため、大半のシーンは外の風景を映している。大ヒットドラマ『ザ・ボーイズ』や、映画『10 クローバーフィールド・レーン』を手掛けたダン・トラクテンバーグ監督は、本作の世界観を忠実に表現するべく、実際の自然光のみで撮影したという。
監督は「各土地には、その土地ならではの光の質感がある。カルガリー(カナダ)の地は、まさに私が探し求めていたものだった。世界中見ても、これほど特別なクオリティの光を提供してくれる場所はないだろう。夜明けや夕暮れの映像をたくさん撮影することができた」と語った。
本編には、現代建造物は一切なく、映るのは集落の様子と外シーンのみ。プロデューサーのジェーン・マイヤーズは「私たちは、たくさん外でロケをしたの。夜の撮影も40日ぐらいあった。撮影は全部で6ヶ月半、そのうち5ヶ月半は外だったわ」と、外ロケにこだわった衝撃の撮影スケジュールを明かした。
■コダワリの演出その2:ネイティブ・アメリカンへの細かなヒアリング
本作の主人公は、ネイティブ・アメリカン最強の部族“コマンチ族”に属する女性戦士ナル。主演のアンバー・ミッドサンダーをはじめ、キャストのほとんどをネイティブ・アメリカンの血を引く俳優で固めている。
また、現実味を高めるため、現地の人への細かなヒアリングも欠かさなかったという。自身もネイティブ・アメリカンの血を引くジェーンは「劇中では、全てにおいてコマンチ族の文化が反映されている。年配の方、歴史学者など、同じ民族の人にたくさん聞いたわ。探求する中で、私の祖先の生活を体験しているような気がして、とても素敵だった」と語り、多くの調査を重ねて俳優たちを本物のコマンチ族へと近づけたことを証言。
さらに、アンバーは「私たちはこの映画をコマンチ族のコミュニティに持っていって、実際に観てもらったの。彼らが『これはよく聞く言葉だ』『このキャラは私に似ている』と共感してもらえたのは、とても重要なことだったわ」とリアルを追求した演出の一端を解説した。
■コダワリの演出その3:アクターとCGのいいとこどり
そして、「プレデター」シリーズに欠かせないのが、毎度変化する最凶のハンター・プレデターの容姿だ。ダン監督は、本作独自のプレデターを描く上で、全てをフルCGで表現するのではなく、特殊スーツを着た役者の演技を絶妙な塩梅で組み合わせることで、史上最高のプレデターが誕生すると語る。
監督は「プレデターを描くうえで、CGとスーツを着た役者の両方を大事にした。役者に演じてもらいながら、ふくらはぎの筋肉を強調するエフェクトを使ったり、手の造形を変えたり、喉のリアルな動きを作ったりしたよ。これらはスーツだけではできないし、CGだけでもできない。これまでのプレデターよりも、さらに残忍だと感じるようにしたかったから、両方を組み合わせることにしたんだ」と、手先から、筋肉、喉の動きまで、細部までこだわった“プレデター作り”について明かした。
映画『プレデター:ザ・プレイ』は、ディズニープラス「スター」にて独占配信中。