イニャリトゥ監督がこだわり抜いた映像で紡ぐ“人間賛歌” 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』最終予告
『レヴェナント:蘇えりし者』でアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の最新作、Netflix映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』より、全カットが目を奪う美しさに満ちあふれた最終予告編とキービジュアルが解禁となった。
【動画】映像美あふれる、イニャリトゥ監督作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』最終予告
本作は、複数回のアカデミー賞受賞を誇るイニャリトゥ監督が、『レヴェナント:蘇えりし者』以来、再び手掛ける長編映画。
ロサンゼルスを拠点に活躍する著名なジャーナリストの主人公シルベリオ・ガマ(ダニエル・ヒメネス・カチョ)は、権威ある国際的な賞の受賞が決まったことで、母国であるメキシコへと旅立つ。まさかこの旅行をきっかけに、生きる意味すら見失うことになるとは知らずに―。
解禁された予告編では、ビートルズの名曲「I Am the Walrus」が印象的に鳴り響き、“時代を超える名作”(THE WRAP)、“心に深く迫る”(BELOW THE LINE)、“息をのむ経験”(SIGHT AND SOUND)と絶賛評が映し出される中、イニャリトゥ監督がこだわり抜いた、目を奪うほど美しい映像世界を体験することができる。アカデミー賞撮影賞ノミネートのダリウス・コンジを撮影監督に迎え、65mmフィルムで撮影された映像は、現
実味がありながら、幻想的でどこか虚構にも見え、“偽り”と“真実”の区別がつかないほどに美しい。旅を通じて、過去の自分の愚かさや恐怖心がシルベリオに迫り、彼の日常は戸惑いと疑問で溢れていくことになるが、映像でも、「どこにいるの?」「わからない」、「俺の故郷だ」「違います。あなたの故郷じゃない」、「皆、故郷が1つはあると思ってるが、どこにもない」…というセリフが交わされ、偽りと真実が曖昧になっていく様が描かれていく。
イニャリトゥ監督が「私は映画のためにこれほどまでに準備したことはありません。脚本から制作まで6年間の旅でした」と語るほど本作へ込めた情熱は深い。例えば、キービジュアルでもある大勢が入り乱れるダンスホールのシーンについては、撮影監督のダリウスが「何千、何万ものさまざまな照明をさまざまな場所に配置した」、VFXスーパーバイザーのギョーム・ロシェロンも「このシーンには殆ど視覚効果がなく、すべてワンテイクで撮影した。縫い目もない。綿密なリハーサルをしたんだ」と振り返っている。
さらに音響にもこだわりが詰まっているようで、キャスティングのマルティン・エルナンデスは、「映画の効果編集者と一緒に、24時間、アパートを録音しに行った。窓際、階段の吹き抜け、部屋の裏側、アパート全体をマイクで覆って、24時間分の音響動植物の録音をしたんだ」と語っている。
“自分とは何か?”や、自分の故郷との向き合い方、そして大切な家族との絆―普遍的で本質的、誰もが抱える問題やテーマに対して、シルベリオは感情豊かに、時に笑いを交えながら向き合っていく。その予測不能な旅はどこへ向かうのか? イニャリトゥ監督が、“人間であること”の意味を教えてくれる“人間賛歌”の物語が描かれる。
映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は、12月16日よりNetflixにて独占配信。