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父と過ごした夏の思い出を「再生」―アカデミー賞主演男優賞ノミネート作『アフターサン』、5.26公開&場面写真解禁

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映画『aftersun/アフターサン』メインカット
映画『aftersun/アフターサン』メインカット(C)Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022

 第95回アカデミー賞(R)主演男優賞にノミネートされている映画『aftersun(原題)』が、邦題を『aftersun/アフターサン』として5月26日より公開されることが決定。ヒロインが20年前に父親と過ごした宝物のような思い出を捉えた場面写真が解禁された。

【写真】かつての父と同じ年齢になったソフィがあの夏の父を「再生」する―映画『aftersun/アフターサン』場面写真

 本作は、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズが監督と脚本を務めて生み出した長編デビュー作。11歳の少女ソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点でつづるドラマだ。

 2022年カンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手がけるスタジオA24が北米配給権を獲得。昨年末には複数の海外メディアが「五感に訴えてくる、感動的なデビュー作」(VARIETY)、「なんて愛おしい作品だろう」(The Guardian)など絶賛して<ベストムービー>に挙げ、毎年映画ファンが注目するオバマ元大統領のお気に入り映画リストにも選出されるなど、本年度を代表する1本となった。

 第95回アカデミー賞主演男優賞、英国アカデミー賞の英国作品賞、新人賞(監督)、主演男優賞、キャスティング賞の4部門にノミネートされるなど、これまで映画賞で216ノミネート、62の受賞を果たしている(2月14日時点)。

 ソフィ役には半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。愛情深くも繊細な父カラムには、ドラマ『ノーマル・ピープル』でブレイクしたポール・メスカル。メスカルは本作での演技で第95回アカデミー賞(R)主演男優賞のノミネートを果たした。本作はまた、第89回アカデミー賞で作品賞など3冠に輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスが脚本に惚れこみ、プロデューサーとして参加。ジェンキンスは映画祭での上映の際、何度も鑑賞しているにもかかわらず感極まり号泣してしまったという。

 11歳の夏休み、思春期のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす31歳の父親・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、ふたりは親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、懐かしい映像のなかに大好きだった父との記憶を手繰り寄せ、当時は知らなかった彼の一面を見出してゆく…。

 多くを語らず、ミニマリスティックな演出で観る者に深い余韻をもたらす本作は、誰しもの心の片隅に存在する、大切なひととの大切な記憶を揺り起こす。陽光注ぐ浜辺、日焼け止めの香り、大きな波音、そして今も残る父親の手の感覚…。クイーン&デヴィッド・ボウイの「アンダー・プレッシャー」やブラーの「テンダー」などのヒットソングに彩られながら、まばゆさとヒリヒリとした痛みを焼きつける、いつまでも忘れ得ぬ一編となるだろう。

 場面写真は、20年前にソフィが父親とともに過ごしたひと夏のかけがえのない思い出を切り取ったもの。若くして父親になったカラムと、思春期真っ只中のソフィはまるで年の離れた兄妹にも見える。トルコのリゾート地のキラキラした水面、移動のバスの中、片時も離れたくないとばかりに父の腕をぎゅっとつかむソフィ、娘を愛おしそうに見つめるカラムの視線など、宝もののような記憶が紡がれたエモーショナルなカットが並んでいる。

 映画『aftersun/アフターサン』は5月26日より全国公開。

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