乃木坂46「32ndSG アンダーライブ」完走 「強い力がアンダーライブにはある」
今回はダブルセンター制ということもあり、伊藤をはじめとする青組(伊藤、黒見、佐藤、冨里、中西、矢久保、吉田)、林が中心の赤組(林、池田、小川、北川、阪口、清宮、向井、吉田)の2チームに分かれパフォーマンスを繰り広げるブロックを用意。まずは、伊藤のソロ歌唱を大々的にフィーチャーした「音が出ないギター」やセンターの吉田がクールな佇まいを見せる「命は美しい」で観客を圧倒すると、続いて林の艶やかなソロボーカルを軸にした「ショパンの嘘つき」や阪口が大人びた表情で楽曲の世界を彩る「ごめんねFingers crossed」と、それぞれの個性の違いを見事に提示。曲間にはダイナミックなダンスパートも用意され、切れ目なくライブは進行していく。そして、「ありがちな恋愛」で2組が勢ぞろいすると、「狼に口笛を」「13日の金曜日」の定番曲連発でさらなる一体感を高めていった。
ライブ中盤に入ると、まずは黒見を筆頭に池田、冨里、矢久保の組み合わせによる「Out of the blue」からユニットブロックに突入。「アトノマツリ」では北川&林が歌にラップにと大活躍し、「もしも心が透明なら」ではグループ最年少の小川を中心に、阪口や佐藤、清宮、向井といった先輩たちが艶やかな空気を作り上げ、伊藤や奥田、中西、吉田と歌唱力に定評のあるメンバーがそろった「パッションフルーツの食べ方」では一人ひとりの個性が際立つボーカルとともに、独特の空気で会場を包み込んだ。
いよいよライブも後半戦へ。「自惚れビーチ」では清宮のコール&レスポンスで場内の熱気が再び高まると、阪口センターのキュートな「口ほどにもないKISS」、北川&矢久保がエモーショナルな表情で魅了する「嫉妬の権利」、佐藤が力強いダンスで場の空気を一変させる「届かなくたって…」、吉田が頼もしくチームを牽引する「錆びたコンパス」、向井が圧巻のパフォーマンスで会場の空気を掌握する「日常」と、曲を重ねるごとにライブはクライマックスへ到達する。
最後の曲に入る前に、座長のひとりとして今回のアンダーライブを引っ張ってきた林が、今の思いを伝えていく。彼女は「皆さんにとってアンダーライブってなんですか?」と客席に投げかけると、「きっと私たちの中にもこの答えの正解はなくて、皆さんの中でもいろんな捉え方があっていいんじゃないかと私は思っています」と続けてから「アンダーライブはうれしいとか楽しいだけじゃなくて、不安とか焦りとか悔しさ、プレッシャー、そういう気持ちを全部パフォーマンスに乗せられる場所だと思っていて。もしそれが私たちからの一方通行なものだとしても、気づいたら皆さんは私たちの気持ちをいつの間にか受け止めちゃっている、そんな強い力がアンダーライブにはあると信じています。だから、皆さんにはひとときもこぼさずに、私たちの気持ちを受け取ってほしいです」と自身の考えを吐露。
そして、感謝の気持ちとともに「誰よりそばにいたい」を15人のソロ歌唱で歌い継いでいく。その素直な歌声からはメンバー一人ひとりの強い思いがダイレクトに伝わり、感動的な空気の中ライブ本編を締めくくった。