マンガ大賞2022大賞・うめざわしゅん原作初の映画化『海の夜明けから真昼まで』単独公開決定 主演は吉村界人
俳優の吉村界人が主演する映画『海の夜明けから真昼まで』が、8月4日よりアップリンク吉祥寺にて単独公開されることが決定。併せて新予告が解禁されたほか、原作者のうめざわしゅん、俳優の東出昌大、経済学者・起業家の成田悠輔ら著名人のコメントが到着した。
【動画】うめざわしゅん原作初の映画化『海の夜明けから真昼まで』予告
原作は、『ダーウィン事変』で「マンガ大賞2022」大賞を受賞した作家・うめざわしゅんが約10年前に描いた短編集『一匹と九十九匹と』の一編『海の夜明けから真昼まで』。監督は、若手映画監督の登竜門「田辺・弁慶映画祭」で審査員特別賞を受賞し、テレビCM、ドラマ、MVなどさまざまな映像作品を手がける林隆行。本作は、主演の吉村と林監督による短編集『人間、この劇的なるもの』の第三章となる。
昨年9月にテアトル新宿、10月にシネ・リーブル梅田にて林監督の他短編とのオムニバス映画『人間、この劇的なるもの』として4日間のみ限定公開され、テアトル新宿は2日間満席に。4日間の上映にもかかわらず、600人を超える観客を動員した。
描かれるのは、都心から少し離れた寂れた港町で“ある男”が起こした監禁事件。被害者の女子高生、工藤麻衣は、学校に復学するも浮いた存在となっていた。そんな彼女に唯一話しかける同級生の氏家。彼もまた、度重なる問題行動を起こし、学校に馴染めていない1人だった。
そんなある日、クラスメイトからの陰湿な嫌がらせに対して、暴力で対抗しようとする氏家。その様子を目の当たりにした麻衣は、“ある男”の言葉を思い出し、行動を起こす。監禁生活で麻衣が受け取ったものとは―。そして彼女が起こした行動の本当の意味とは―。ある男、麻衣、氏家。3人が複雑に連鎖し、思いもよらぬエンディングに向かっていく。
監禁事件の犯人・謎多きある男を演じるのは吉村界人。監禁事件の被害者であり、この物語の鍵となる女子高生・工藤麻衣役には、SNS界隈でも注目を集める若手女優の羽音。麻衣の同級生、氏家にふんするのは『許された子どもたち』にて、第75回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞した上村侑。ほかに、カトウシンスケ、遠藤留奈、若林時英、櫻井健人、三浦獠太、林裕太、山﨑翠佳、栗林藍希、さくららが出演する。
なお、単独公開に向けて著名人よりコメントが到着。原作者のうめざわしゅんは「自己嫌悪に近い感覚しか抱けなかった登場人物たちが、みんな愛おしく感じられて当時の感情がようやく昇華されました。個人的にはめちゃくちゃ爽やかな青春ムービーだと思います。 原作は見なくていいので、こっち観て下さい」と語る。
俳優の東出昌大は「自分は『普通』だと思い込んで生きている人々の異常さ。『普通』から外れてもなお、生きようと足掻く人の尊さ。こんな素敵な人間たちを目の当たりに出来て、一緒に悩めて、喜べる瞬間が得られるから、私は映画が好きです」と応援コメントを寄せた。
経済学者・起業家の成田悠輔は「光が、音が、波が、影が、そして終われない生が流れていく。ひさびさに映画でただの完璧な時間に遭遇した気がする」と評価。
映画評論家の松崎健夫は「人生は手探りだ。正しい答えなど存在しない。 この映画ではトンネルや灯りのない部屋、或いは、夜の高架下といった"暗がり"を描いている。それは『人生が前方不良なものである』と示唆しているかのようなのだ。他方、光の射す在処も意図的に描かれている。 暗がりを抜けてゆく道程こそが最も暗い。だが、憂うなかれ。 その先にあるは、光の射す場所なのである。林隆行監督は若者たちの歩む姿を繰り返し描いている。それゆえ、暗がりを抜けてゆくプロセスにこそ、人生にとって重要な何かがあるはずだと言わんばかりなのだ」と、それぞれ言葉を寄せた。
映画『海の夜明けから真昼まで』は、8月4日よりアップリンク吉祥寺にて単独公開。他順次公開予定。