「#Me Too」運動のその後描く『アフター・ミー・トゥー』9.16公開決定 ポスター&予告も解禁
2017年秋に、世界中に広がった「#Me Too」キャンペーンのその後を描く韓国のドキュメンタリー映画『アフター・ミー・トゥー』が、9月16日より全国順次公開されることが決定。併せて、ポスターと予告編が解禁された。
【動画】世界で広がった「#Me Too」運動後の物語 『アフター・ミー・トゥー』予告
性暴力の被害体験を「#私も」というハッシュタグとともにSNSに投稿する「#Me Too」キャンペーンは、フェミニズムの気運が高まっていた韓国でも2018年以降大きく盛り上がった。それから3年後の2021年。かつての熱気が落ち着いた「#Me Too」は、どのような状況にあるのか。本作では、「#Me Too」の“その後”を4つのテーマで映し出す。
2021年8月、ソウル国際女性映画祭でワールドプレミア上映されると、チケットは即完売。日本では、2022年1月、お茶の水女子大学ジェンダー研究所主催による国際シンポジウムで初上映され、その後11月に福島県福島市にて有志による自主上映会が開催。上映会には全国各地から観客が集まり、全国での上映を望む声を受けて、このたび全国公開が決定したという。
映画は、これまでにもフェミニズムをテーマにした作品を手がけてきた、世代の異なる女性監督4人による4編のオムニバスで構成。学校やアートの現場で「#Me Too」運動に参加した人たちのその後を描く作品や、「#Me Too」から取りこぼされた中年女性の姿を追う作品のほか、「#Me Too」とも言い切れない、「加害」「被害」の区分けが難しいグレーゾーンをテーマにした作品も収め、「#Me Too」の先にある新たな課題を観る者に問いかける。
作品ごとのあらすじは、以下の通り。
■1.<女子高の怪談>(監督:パク・ソヒョン)
教員によって長年続いていたセクハラ・性暴力が代々「怪談」のように言い伝えられてきた女子高。2018年、生徒たちは声を上げる。卒業生も参加し、「怪談」を「真実」として社会に突きつける。韓国「#Me Too」運動のなかで最も多くの人々が参加した「スクールMe Too」(学内性暴力の告発)のその後を記録する。
■2.<100.私の体と心は健康になった>(監督:イ・ソミ)
2020年、1人で暮らす49歳の女性。幼少期に性暴力に遭い、そのトラウマに長年苦しんできた。「自分にできなかったことは、苦しかった話を大声で話すこと」。彼女は意を決し、かつて過ごした故郷へと向かう。
■3.<その後の時間>(監督:カン・ユ・ガラム)
「アートMe Too」に参加し、創作と活動の間に揺れるアーティスト3⼈の現在を追う。このままでは活動家になってしまうのではという不安。自分たちの活動は性暴力防止に本当に役立つのか、問題は誰が解決すべきなのか。自問自答しながら前に進むアーティストたちの姿を映す。
■4.<グレーセックス>(監督:ソラム)
恋愛も性的なコミュニケーションもしたい。それはお互いの愛情を感じられる行為だから。けれど、相手が一方的なこともある。恋人関係やマッチングアプリでの出会いで感じたもやもやを4人の女性が語る。被害/加害で定義できない不快感、性的自己決定権という言葉では線引きが難しいグレーゾーンに迫る。
映画『アフター・ミー・トゥー』は、9月16日より渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開。