オスカー2度受賞のカズ・ヒロ、特殊メイクへの批判に反論 ブラッドリー・クーパー監督作で
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ブラッドリー・クーパーの監督作第2弾となる映画『マエストロ:その音楽と愛と』で、音楽家レナード・バーンスタインを演じるブラッドリーの特殊メイクに批判が集まったことを受け、オスカー受賞のメイクアップアーティストで、同作を手掛けたカズ・ヒロがコメントした。
【動画】『マエストロ:その音楽と愛と』ティーザー予告編
本作は、『ウエスト・サイド物語』などで世界的に知られる指揮者/作曲家のレナード・バーンスタインと、女優/ピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインが共に歩んだ生涯を振り返る愛の物語。しかし、先月予告編が初公開されると、バーンスタインを演じるブラッドリーの鼻が特殊メイクで大きく強調されていることに、批判が集まった。
これを受け、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』と『スキャンダル』で、2度アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を獲得し、本作でもメイクを担当したカズ・ヒロが、ベネチア国際映画祭の記者会見でコメントした。
Varietyによると、彼は「こうした反応が来るとは全く予想していませんでした。気分を害した方がいることを、残念に思います」とコメント。「僕とブラッドリーの目指すところは、レニー(バーンスタイン)を可能な限り本物らしく描くことでした。レニーは誰もが知る特徴的な顔の持ち主でした。フォトジェニックでもあったので、そこかしこで彼の写真を目にします。偉大な人であり、多くの影響を与えました。ですから、彼の内面だけでなく、外見にもリスペクトを払いたかったのです。これこそが、何度もテストを行い、熟考した結果、映画のメイクを作り上げた理由です」と語った。
鼻を特殊メイクで大きく見せたことについては、ユダヤ系に対するステレオタイプで誤った描写であると批判を受け、監督/主演のブラッドリーにも批判が集まった。これに対し、バーンスタインの娘ジェイミー・バーンスタインは、Vanity Fairのインタビューで「水をさされて不愉快です」とコメント。「何かに怒りをぶつけたい人が、飛びついただけだ」とブラッドリーを擁護していた。
またジェイミーはX(旧ツイッター)を通じてバーンスタインの子どもたちとしてアレクサンダーとニーナとともに連名で声明を発表し、「この件に関して声高に批判する向きには、成功している人を陥れようとする陰険なものを感じます。父が同じような扱いを受けるのを十分すぎるほど見てきました」と反論していた。