『アメリ』、22年の時を経てスクリーンによみがえる! デジタルリマスター版公開決定
オドレイ・トトゥ主演映画『アメリ』(2001)を、ジャン=ピエール・ジュネ監督の監修のもとデジタルリマスターした『アメリ デジタルリマスター版』が、11月17日より公開されることが決定。ポスタービジュアル、著名人からの応援コメントが解禁された。
【写真】オドレイ・トトゥがかわいすぎ! 『アメリ』サブポスター
『アメリ』は、それまで『デリカテッセン』『ロスト・チャイルド』『エイリアン4』などアーティスティックでダークな世界を得意としてきたジャン=ピエール・ジュネ監督が、「人々を幸せにする映画を撮りたい」と方向転換し、自分が好きなものと幸せの種を埋め込んで作り上げたロマンチックコメディ。
風変わりな両親のもとに生まれた主人公アメリは、父の誤解から学校に通えず、空想の世界で一人遊びする子ども時代を過ごした。大人になった今はパリの下町、モンマルトルで一人暮らししている。恋人や同世代の友達はいなくても、カフェ「ドゥ・ムーラン」の個性的な同僚や常連客に囲まれて、居心地がよい毎日を過ごしていた。そんなある日、アメリのとあるお節介から小さな奇跡が起きる…。
フランスでは公開直後から「観る人みんなが幸せな気持ちになれる」と口コミが広がり、当時のシラク大統領やジョスパン首相も観賞した。作品に込められた幸せの種は世界中で芽吹き、各地でロングラン・ヒットを記録。2002年にはアカデミー賞で外国語映画賞、美術賞など5部門にノミネートされた。
日本公開は、2001年11月17日。女性ファッション誌やカルチャー誌がおしゃれでかわいい映画として『アメリ』を大々的に誌面で紹介し、公開前から期待と注目度は高まる一方に。それにもかかわらず、当時日本での上映館は今はなきミニシアター「渋谷シネマライズ」1館のみ。公開当日は『アメリ』を待ち焦がれていた人々が朝から長蛇の列を作り、「観たいのに観られない!」と悲鳴があがった。
その騒ぎを聞きつけたテレビのワイドショーや男性週刊誌も『アメリ』に注目し、社会現象に。その後、北は北海道の旭川、南は沖縄・那覇まで47都道府県、全160館の映画館で上映(再上映含む)されるなど、ミニシアター系映画としては異例の拡大公開を記録したのだった。
また公開時、赤と緑を基調にしたポップなインテリアや、オドレイ・トトゥが着こなすレトロなファッションに魅了されたファンに向けて、ムックやノベライズ、レシピ集、ヤン・ティルセンが手掛けた劇中音楽の楽譜集など関連書籍が続々と出版された。劇中でアメリのベッドサイドに置かれるミヒャエル・ゾーヴァの「豚さんランプ」は高値で取引され、アメリの世界を体験したいファンのために聖地巡礼ツアーが企画されるなど、ブームは加熱する一方だった。
ショートボブに大きな瞳、口角を上げてほほえむ姿が印象的ないたずら好きのアメリを表情豊かに演じたのは、当時映画デビューしたばかりのオドレイ・トトゥ。ジュネ監督は脚本段階で別の俳優を主演に想定していたが、スケジュールの都合で断念。新たにキャスティングを始めたところ、『エステサロン/ヴィーナス・ビューティー』のポスターでトトゥを発見し、即採用となった。
トトゥはキュートな笑顔と確かな演技力が相まって本作で大ブレイク。来日時にはとぼけたコメントで取材陣を笑わせるなど、アメリのような無邪気さで魅了し、彼女のいない『アメリ』は想像できないほどのはまり役と絶賛された。
そんな名作『アメリ』が、22年の時を経て、ジュネ監督の監修でデジタルリマスター化。色彩はより鮮やかに、CG処理も最新技術できめ細やかに施されてスクリーンに再登場する。渋谷ユーロスペースでは、公開時と同じ35mmフィルムでの上映も予定している。
この度解禁されたポスタービジュアルは、公開当時のポスターデザインを踏襲したもの。ミヒャエル・ゾーヴァのシュールな絵画が飾られた真っ赤な壁紙の部屋のベッドで、アメリがアルバムを眺めるシーンが切り取られている。アメリの上には「幸せになる」というシンプルなキャッチコピーが添えられ、温かさを感じさせるデザインとなっている。
併せて、『アメリ』を愛する各界の著名人たちからも応援コメントが到着。音楽家の青葉市子は「夢中でいれば、世界がちゃんと運んでくれる、そんな魔法が詰まった映画」と絶賛し、俳優・アーティストの美波は「あの頃の自分に、あの頃のアメリに、もう一度出会える。その出会いは自分の価値観と可能性を大きく変えてくれた」と思い入れたっぷりにコメント。そのほか、有賀薫、小谷実由、COFFEE BOY、原田ちあき、福田里香、真舘晴子、安本彩花、やまもとりえが、それぞれの熱い想いを語っている。
『アメリ デジタルリマスター版』は、11月17日より全国公開。
※著名人からの応援コメント全文は以下の通り。