ロックの創始者リトル・リチャードの素顔を描くドキュメンタリー映画、本予告解禁
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ロックンロールの偉大なる創設者のひとり、リトル・リチャードの史実と素顔を描くヒューマンドキュメンタリー映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』より、本予告映像と本ポスタービジュアルが解禁された。
【動画】ロックの歴史を作った功労者が刻んだ魂の軌跡! 『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』本予告
1950年代半ばに彗星のように音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた革新的黒人アーティスト、リトル・リチャード。ミック・ジャガーは「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」と語り、エルヴィス・プレスリーは「彼こそロックンロールの真のキングだ」と称賛。ビートルズのデビュー前から親交があったジョン・レノンは「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と言い、ポール・マッカートニーは「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」と語る。
はたして彼は、どのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか? 本作は、豊富なアーカイヴ映像、本人およびその親族や関係者、識者に加え、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、デイヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンによる証言映像とともに、リトル・リチャードの史実と素顔をつまびらかにする。
1955年、リトル・リチャードはデビュー・シングル「トゥッティ・フルッティ」の大ヒットで世に出ると、ヒット曲を連発して反権力志向の若者の心をつかみ、まさにイナズマのような活躍をみせるも突如引退を宣言。そこから5年の「教会への回帰」を経て、復帰後はイギリス・ツアーを通じて無名時代のビートルズやローリング・ストーンズに決定的な刺激と影響を与えていく。
立ったままでピアノを弾き、左手でブギウギを、右手では打楽器的打鍵を披露。激しいリズムを背景に、叫ぶように歌ったかと思えば、ピアノの上に立ち、衣服を脱ぎ捨ててステージを縦横無尽に駆けめぐる。今ではすっかり当たり前になっているパフォーマンスの数々が、約70年前にひとりの黒人シンガー・ソングライターによって創造された事実を再確認する興奮と感動は大きい。アーカイヴ映像に残されたリチャードの演奏は、今見ても全く色あせてはいない。さらに、近年ではLGBTQ+(クイア)の先駆者としても再評価されている。
当時のアメリカでは南部を中心に人種差別がまだまだ激しかった。音楽活動における「認められたい」という欲求も長い間満たされずにいた。また、ゲイを公言する性的マイノリティーでもあり、陽気な言動とは裏腹に、あまりに壊れやすい繊細な魂を持った人物だった。本作はドキュメンタリーの形を借りて描かれた、ひとりのミュージシャンの「魂の軌跡」。差別や偏見、時代と流行、そして信仰と音楽。さまざまな人生の岐路で迷い、苦しみながらも、最後に報われ、自己解放を成し遂げた初期ロックの雄のための鎮魂歌にして讃歌とも呼ぶべき作品だ。
このたび、解禁されたのは、リトル・リチャードがロックの歴史上でいかに偉大なのかを知ることができる予告映像。本人の貴重なインタビューやライブ映像を交えながら、歴史を作った一人の人間が刻んだ魂の軌跡を描き出す。
デビューシングル「トゥッティ・フルッティ」に関するエピソードや、彼のオリジナルよりもエルヴィスやパット・ブーンら白人のカバーの方が売れていたことなどをリトル・リチャード自身が証言。当時激しかった人種差別を「お黙りっ!」と言いながらどこか笑い飛ばしている姿も印象深い。
ポール・マッカートニーやミック・ジャガーらレジェンドたちから尊敬の言葉が寄せられ、「マイケル・ジャクソンに影響を与え、ジミ・ヘンドリックス、ジェームズ・ブラウンを見つけたのは俺だ!」と豪語できるのはこの世にリトル・リチャードしかいないだろう。多くのアーティストたちに影響を与えたライブ・パフォーマンスも随所に差し込まれ、ファンにはたまらない映像となっている。
また、革新的黒人アーティストとしての側面とは別に、性的マイノリティーの先駆者としての一面にも触れられている。「神から貰ったものは全部さらけ出すのさ」と語る通り、本作はリトル・リチャードが一人の人間として表現した喜び、苦悩、葛藤などを包み隠さずに描く。
あわせて解禁された本ポスタービジュアルは、きらびやかなリトル・リチャードにぴったりな金色のデザイン。レジェンドたちのコメントと、ミック・ジャガー、ナイル・ロジャーズ、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズら豪華な証言者たちの顔が並ぶ。「時代に抗い、幾多の困難を乗り越えた、不屈で繊細な魂の軌跡」というキャッチコピーは、リトル・リチャードの人生そのものを表現している。
映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』は、3月1日より全国公開。